サンタおじさんのいねむり

『サンタおじさんのいねむり』

作 ルイーズ・ファチオ
文 まえだみえこ
絵 かきもとこうぞう
出版社 偕成社
税込価格 ¥1000+税


クリスマスイブのこと。

サンタおじさんが、クリスマスプレゼントを配りに町へ出掛けました。やがて夜になり、疲れたサンタおじさんは、大きい樫の木で少し休むことにしました。けれど、おくさんの作ってくれたサンドイッチを食べているうちに、お腹いっぱいになって眠ってしまいました。

それに気が付いたのは、森のきつね。
見るとサンタおじさんのそりには、プレゼントが山のように積まれています。このままだと、子どもたちにプレゼントが届けられません。けれど、あんまり気持ち良さそうに眠っているものだから、起こしてしまうのはかわいそう。

「そうだ!」
きつねはふくろうのところへ行って、森中のみんなに今すぐ集まるよう伝えてほしいと頼みました。
そこで、きつねがみんなに提案した考えとは・・・?

* * * * * * *

作者であるルイーズ・ファチオさんは、大学卒業後、ロジャー・デュボアザンさんとご結婚されました。のち、夫婦で手掛けられた作品には、「ごきげんなライオン」 シリーズなどがあります。
この 『サンタおじさんのいねむり』 の原作 『THE CHRISTMAS FOREST』 は、ファチオさんとデュボアザンさんがコンビを組んだ最初の作品で、1950年に発行されました。

そんな原書に基づいて前田三恵子さんが翻訳をされ、柿本幸造さんが絵を手掛けられたのが、今日ご紹介した『サンタおじさんのいねむり』です。

絵本を読み進めていくと、見ているこちらがひやひやしてしまう展開です。

奥さんは、「あなたはお腹がいっぱいになると、眠ってしまうんですからね。」 と、町に着くまでサンドイッチとコーヒーは食べないようにちゃんと忠告していたのに。サンタおじさんも、「ああ、分かったよ。」 と素直に答えていたのに。

けれど、やっぱり、みんなに愛されるサンタさん。すてきな友だちがいて、本当に良かったね。

1969年に日本で発売されてから、40年以上もの間愛されているお話です。これからもずっと読み続けられていくといいな、と思う作品です。