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休業日のお知らせ(7月)

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定休日 日曜日・祝日(7/21)
営業時間 10 : 00~18 : 00
気が付けば今年も半年が終わって、七夕の季節になりました。7月はアルフェテさんのイベント、「“小さな小さな”星山さんぽ」の関連イベントとして「宇宙と星」をテーマにした絵本を集めました。

棚の本は、期間中少しずつ入れ替わります。
ささやかですが、どうぞお楽しみいただければ嬉しいです。





リコちゃんのおうち

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『リコちゃんのおうち』
作 酒井駒子 出版社 偕成社 発行日 1998年10月 価格 ¥1,000

リコちゃんが遊んでいると、お兄ちゃんかいじゅうは「あっちいけ!」と言うし、ママはシカさんを蹴っ飛ばすし・・・リコちゃんはすっかり怒ってしまいました。
そこでママは箱を持ってきて提案します。「ここが リコちゃんの あたらしいおうち」と。ハサミでドアと窓を切り抜き、はぎれを1枚床に敷けば、なんだかおうちらしくなってきました。窓にはカーテンを付けて、お花を飾って、それから・・・。

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お兄ちゃんがかいじゅうみたいに乱暴をしたり、お母さんが家事に追われてうっかり遊びの邪魔をしてしまったり・・・お母さんの方は決して悪気はないのだけれど、そんな光景ってよくありますよね。
でも、怒って「リコだけの おうちに ひっこす!」と言うリコちゃんに、「ここに ひっこしてらっしゃい」と、箱を差し出してくれるお母さん。どんどんおうちができあがっていく様子には、わくわくしてしまいます。
しばらくちょっかいを出していたいたお兄ちゃんでしたが、最後に人形を使っておうちにやってくる登場ぶりにはくすっと笑ってしまいます。
現実と、ファンタジーの世界がちょっぴり入り混じったお話です。

でてこいでてこい

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『でてこいでてこい(0.1.2.えほん)』
作 林明子 出版社 福音館書店 発行日 1998年4月15日 ※月刊「こどものとも0.1.2.」1995年4月1日発行 価格 ¥700+税

緑の葉っぱ。だれか、かくれてるよ。「でてこい でてこい」と、呼びかけると・・・?
「げこ、げこ、げこ」葉っぱから飛び出したのは、緑色のかえるでした。
次は鮮やかなピンク色をした五角形です。だれか、かくれてるよ。「でてこい でてこい」・・・。
「ぴょーん、ぴょん」五角形から飛び出したのは、ピンク色をしたうさぎでした。
次はなんだか長いかたち。今度はなんの動物かな?

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わくわくしながらページをめくれば、のっぺりとした色紙のようなところから、躍動感あふれる動物たちが切り絵のように飛び出してきます。まるで、「さっきのところに隠れていたんだよ。」「分からなかったの?」とでも言うように。その美しいシルエットにはうっとりさせられます。
最後に出てくる動物は、“ぞう”と“あり”。この対比が良いですね。子どもたちに読んでも、ぞうを指さしては「ぱおーん!」と鳴き真似までして喜んでくれる子どもと、小さなありをそっと指さして嬉しそうにしている子どもとがいて、おもしろいなと思います。
シンプルですが、「でてこい でてこい」のところは子どもと声を揃えて読んだり、動物が飛び出してくるところはその動作を真似してみたりと、自由に楽しめる1冊です。

かさ 太田大八

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『かさ』
作 太田大八 出版社 文研出版 発行日 1975年2月20日 価格 ¥1,100+税

雨の降り続くなか、赤い傘をさした女の子が、大きな傘を持って歩いています。すれ違う友だちに手を振って、ケーキ屋さんの前を通って、交差点を渡って・・・。女の子は、どんどん駅の方へと進んでいきます。駅で待っていたのは、女の子のお父さん。雨の日の、お迎えの様子を描いた1冊です。

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文字はなく、絵がそのストーリーを語っています。墨一色の絵に映える女の子の赤い傘がとてもきれいです。雨の中ゆらゆら揺れる影や、雨粒が作り出す水の輪っかなど、雨の日にしか見ることができない特別な景色がそこには広がっています。
帰り道、ケーキ屋さんに立ち寄ったふたり。お父さんのさす大きな傘の中で、両手でその箱を抱える女の子はとっても嬉しそう。しっかりとお父さんの手に握られた赤い傘まで、なんだかいっしょに笑っているようです。

あめのひのくまちゃん

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『あめのひのくまちゃん』

作 高橋和枝 出版社 アリス館 発行日 2013年10月25日 価格 ¥1,300+税

午後遅くなって雨が降ってきました。家の窓から外を眺めていたくまちゃんは、さっきまで遊んでいた野原が今頃どうなっているのか見に行くことにしました。雨の野原ではかえるやみみずが集まって、雨のしずくが葉っぱの上をすべる様子に大喜び。雨のお池では小さな輪っかがいくつも浮かんでは消え、お池の底ではかにの子が「ふしぎだねえ!」と眺めています。ところが林の中では、たくさんの葉っぱが屋根のように広がっていて、りすたちは雨に気付いていません。先に気が付いたのは、雨のにおい。「なんだか しめった においが するよ」と、こりすが言いました。
きれいで、ふしぎで、いつもと違うにおいがして・・・。そんな雨の日の、おだやかな様子が描かれています。

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かわいいくまちゃん。ブルーのズボンに、きいろい傘ときいろい長靴がとてもよく似合っています。
野原を見に行ってくると言ったくまちゃんに「おやまあ」と驚くお母さんですが、それでも「おそくならないうちに かえっておいで」と送り出してくれ、帰りも家の前で待っていてくれていて「あめの なか さむかったでしょう」とくまちゃんを迎えてくれます。おだやかなストーリーとやわらかな質感がとても良く合っていて、灰色の空さえもなんだかあたたかい。

ぽと ぽと
ぴちょん ぴちょん
ぱらぱら ぱらぱら

雨の音がやさしく響く1冊です。

どろぼうがっこう

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『どろぼうがっこう』
作 かこさとし 出版社 偕成社 発行日 1973年3月 価格 ¥1,000+税

これは、金と銀の目をした変なみみずくが教えてくれた、“どろぼうがっこう”のお話です。どろぼうがっこうの生徒たちは、悪い泥棒になる勉強をしています。ある日の宿題は「なにか どろぼうを やってこい」というもの。「はーい。」「へーい。」「ほーい。」「わかりやしたー。」と、どろぼうがっこうのかわいい(?)生徒たちは元気な返事とともに帰っていきましたが、次の日生徒たちが持ってきたのは、自分の家から持ってきた革靴や、お寺の庭で見つけたアリの卵・・・と、泥棒らしからぬものばかり。宿題はみんな0点です。そこで先生は、次の夜にみんなで遠足へ行くから、ねじ回しと出刃包丁を持ってくるようにと言いました・・・。

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校長先生は、リーゼント頭をした、まるで歌舞伎役者のような“くまさかとらえもん”先生。本文中で“かわいい せいとたち”と記されている生徒たちは、お世辞にもかわいいとは言えないような、すごーく悪そうな顔をしています。それなのに、彼らのまぬけっぷりからか、愛嬌さえ感じられるから不思議です。
夜の遠足の場面では、群青色をした空の下、いったいこれからどんな展開が待っているのかと、はらはらどきどき・・・。

昨年には、続編として『どろぼうがっこうぜんいんだつごく』と『どろぼうがっこうだいうんどうかい』が発売されました。良かったらこちらもご覧になってみてくださいね。

ぼくは王さま

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『ぼくは王さま(新・名作の愛蔵版)』

作 寺村輝夫 絵 和田誠 出版社 理論社 発行月 2000年1月 ※日本の創作童話シリーズ版 1961年発行 価格 ¥1,200+税

“どこの おうちにも
こんな 王さま
ひとり
いるんですって”(本文冒頭より)

王さまはたまごやきが大好きで、赤ちゃんが生まれたときも、集まった人みんなにたまごやきをごちそうしたいとわがままを言ったり(そして、ぞうのたまごを持ってくればいいだなんて言うんですよ。おかしいですよね。)、またあるときは、潰れないしゃぼんだまを作ってくれだなんて言ったり(糸で繋いで首飾りにしたいだなんて言うんですよ。博士も大変です。)。
わがままで、ちょっぴりおばかさんで、でもなんだか憎めない。そんな王さまの愉快な物語です。

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“ぼくの王さま”といえば、現在の「ぼくは王さまの本」シリーズ(全21巻)や、フォア文庫版「ぼくは王さま全集」(全18巻)などをはじめ和歌山静子さんの描く王さまのイメージが定着していますが、1961年に発行された第1作目の『ぼくは王さま』の絵を手掛けられたのは和田誠さんで、その当時のものは長新太さんがその装幀を担当されたそう(ぜひ、手に取ってみたいなぁ)。
本書はその改訂版です。収録されているお話は、「ぞうのたまごのたまごやき」、「しゃぼんだまのくびかざり」、「ウソとホントの宝石ばこ」、「サーカスにはいった王さま」の4作。おかしくて、楽しくて、わくわくして。50年以上に渡り子どもたちから愛され続けているように、私もこの王さまが大好きです。

わゴムはどのくらいのびるかしら?

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『わゴムはどのくらいのびるかしら?』
文 マイク・サーラー 絵 ジェリー・ジョイナー 訳 岸田衿子 出版社 ほるぷ出版 発行日 1976年9月20日 ※2000年7月15日に改訂されています。 価格 ¥1,200+税


ある日、わゴムがどのくらいのびるか試してみることにしたぼうや。わゴムの端をベッドの枠にひっかけて、部屋の外へ出てみます。自転車に乗ってくたびれるまで走って、それからバスに乗って、汽車に乗って、着いたところは飛行場!飛行機は飛び立って、港に着いて、さらにぼうやは進んでいきます。それでもわゴムはのびて、どんどん、どんどんのびて・・・。
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私が子どもたちの前で絵本を読むようになったのは、ここ、豊中市が毎年夏休みに開催している「高校生読み聞かせボランティア育成講座(現在は高校生・大学生になっているはず)」に参加したことがきっかけです。その講座で読む絵本を選ぶために入った図書館の書庫で、初めてこの絵本と出会いました。
それも、この通常版を大きくした「ほるぷ出版の大きな絵本」というシリーズのもので、横幅は40cm以上!文章はとてもシンプルな絵本ですが、「わゴムがどのくらいのびるか」という男の子の素朴な疑問が、ページをめくるたびどんどん壮大なスケールになっていってわくわくしたことを覚えています。それが家庭で楽しめるのがこのサイズ。このダイナミックな展開に、子どもたちからは「えー!」「そんなんありえへん!」なんて声が聞こえてきそうですが(笑)、そうは言っても、ちぎれないかな、ゴムの力でひっぱり返されないかな・・・なんてはらはらどきどきしてしまいます。
ぼうやの部屋に散らばったおもちゃたちも、ぜひよく見てみてくださいね。

※現在「ほるぷ出版の大きな絵本」シリーズとしての本書は、品切れまたは絶版となっています。

第8回絵本のおはなし会 読んだ絵本

6月20日(土)、8回目のおはなし会を開催しました。

読んだ絵本は以下の通りです。

小さい子(10:30~11:00前くらい)
・くっついた(三浦太郎作、こぐま社)
・雨かな!(U・G・サトー作、福音館書店)
・でてこいでてこい(林明子作、福音館書店)
・おふとんかけたら(かがくいひろし作、ブロンズ新社)
もこもこもこ(谷川俊太郎作、元永定正絵、文研出版)
・はっぱのおうち(征矢清作、林明子絵、福音館書店)

大きい子(11:30~12:00くらい)
ピッツァぼうや(ウィリアム・スタイグ作、木坂涼訳、セーラー出版)
ないしょのおともだち(ビバリー・ドノフリオ文、バーバラ・マクリントック絵、福本友美子訳、ほるぷ出版)
・やさいのせなか(きうちかつ作、福音館書店)
・つぎ、とまります(村田エミコ作)
・ちいさなきいろいかさ(もりひさし作、西巻茅子絵、金の星社)

来月も第3土曜日、7月18日(土)に開催予定です。※時間も今回と同じです。

小さな絵本屋のこじんまりとしたおはなし会ですが、とってもアットホームなおはなし会です。
初めての方でも、どうぞふらっとお立ち寄りいただけたら嬉しいです。

番ねずみのヤカちゃん

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『番ねずみのヤカちゃん』
作 リチャード・ウィルバー 訳 松岡享子 絵 大社玲子 発行日 1992年5月31日 出版社 福音館書店

ドドさんの家の壁と壁の隙間に、お母さんねずみと4匹の子ねずみが住んでいました。子ねずみのうち3匹はおとなしくて静かな子でしたが、4匹目は「やかましやのヤカちゃん」と呼ばれるくらい、驚くほど大きな声で話す子ねずみでした。そんな4匹が大きくなって、そろそろ自で好きなところへ行ったり、自分で好きな食べものを見つけに行ったりしてもいい頃になりました。
そこでお母さんは、子ねずみたちに大事なことを話します。ドドさんにも奥さんにも、決してここにねずみが住んでいると知られないように、用心しなければいけないこと。そのために、3つのことに気を付けること。
ところが困ったことに、ヤカちゃんの声があんまり大きいものだから、ねずみがいることが知られてしまい・・・。


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はじめてこの本を知ったとき、「番ねずみ・・・?(番をするの?ねずみが?)ヤカちゃん・・・?(変わった名前!)」と、次々にはてなが浮かびました。ヤカちゃんという名前の由来は本文3行目ですぐに分かりましたが、番ねずみと付けられたタイトルの訳は、お話の最後になるまで分かりませんでした!
ドドさんと奥さんにねずみがいると知られてからというもの、ハラハラするような場面が続きます。大きな声のヤカちゃん、本当に困ったものです。でも、「しーっ、しずかに!」と、お母さんに繰り返し言われ、とうとう他の子ねずみたちにも揃ってそう言わるシーンなんて、ヤカちゃんには申し訳ないけれど、思わずくすっと笑ってしまいます。

お話としては『ないしょのおともだち』や『ないしょのかくれんぼ』のシリーズにも通じるところがあるかもしれません。いろんな想像がふくらむ1冊です。

かげ

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『かげ』
作 スージー・リー 出版社 講談社 発売日 2010年8月20日 価格 ¥1,400+税


暗闇の中「パチッ!」と電気をつけて、女の子は影遊びをします。でも、あれれ?開いた手と手で鳥の影絵をしたら、影の中の鳥が空へと羽ばたいた!
絵本を縦に開くと、のど(本を開いたとき、真ん中にできる線)を境にして、下のページは上のページの影が映っているように描かれています。ところが不思議なことに、影は実物の世界を越え、自由に動いたり、形を変えたりしながら、どんどんその世界をふくらませていきます。

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シンガポール在住の韓国人作家スージー・リーによる、“WAVE(日本語版『なみ』)”に続く作品。サイズは『なみ』と同じですが、横開きの『なみ』に対し、こちらは縦開き。同じく、文字のない絵本で(正確には、電気をつける音・消す音の「パチッ!」と、最後に女の子を呼ぶ「ごはんですよー!」の声だけ)、使われている色も黒と黄色の2色のみ。
舞台は、お家の倉庫かなにかでしょうか。掃除機や脚立などが乱雑に置かれています。そこで不思議な世界を見せてくれるのは、おかっぱ頭の小さな女の子。躍動感たっぷりで、まるで彼女主演のミュージカルでも見ているみたい。
ところでこの絵本、日のあたる明るい場所で読んでいて気が付いたのですが、光が当たると綺麗な影が浮かび上がるページがあります。これには驚きました。
気になる方は、ぜひ店頭でお声かけくださいね。

あかちゃんかたつむりのおうち

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『あかちゃんかたつむりのおうち』
文 いとうせつこ 絵 しまづかずこ 出版社 福音館書店 発行日 2012年5月5日 ※月刊「ちいさなかがくのとも」2006年7月1日 価格 ¥800+税

小さい小さいおうちを背負ったあかちゃんかたつむりは、お腹がぺっこぺこ。まずは緑のはっぱを、その次はたんぽぽの花を・・・と、次から次へといっぱい食べました。ところがそこへてんとう虫やちょうちょがやってきて、食べ過ぎるとおうちに入れなくなっちゃうよ、と忠告します。だんだん心配になってきた、あかちゃんかたつむり。「もう たべるのは やめよう」そう一度は決意しますが、やっぱりがまんできなくて・・・。

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小学生のころ、家でかたつむりを飼っていました。人に言うと笑われるけれど、雨上がりには外で散歩をさせたり、にんじんやきゅうりなどを食べさせてはオレンジ色や黄緑色のうんちを見たり、今思い返しても楽しかった思い出ばかり。そんな大好きだったかたつむりですが、この絵本を読むまで、どんな場所でどんな風に産まれてくるのかなんて考えたこともありませんでした。
この絵本では、アリよりも小さなあかちゃんかたつむりが少しずつ成長していく姿を、水彩の、うっとりするくらい美しい絵で描かれています(ぜひ、中も見てもらいたい!)。ちょっぴりおばかさんな、あかちゃんかたつむり。可愛らしいストーリーも魅力的です。

でも最近、そういえばかたつむりを見かけなくなったような気がします。子どものころとは行動範囲が違うからでしょうか。かたつむりの散歩姿、久しぶりに見たくなりました。

コッコさんとあめふり

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『コッコさんとあめふり』
作 片山健 出版社 福音館書店 発行日 2003年5月15日 ※月刊「こどものとも年少版」1991年9月1日発行 価格 ¥800+税


雨が続き、コッコさんはてるてるぼうずを作りました。「てるてるぼうず てるてるぼうず あした てんきに してください。」けれど次の朝になっても、まだ雨は降っていました。今度はコッコさん、てるてるぼうずの中に手紙を入れてお願いしました。「てるてるぼうず てるてるぼうず あした てんきに してください。」けれどもやっぱり、次の日も雨降りでした。そこでコッコさんは考えます。こんどは、と考えます――。


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雨の日は、雨粒の音が、いつもは聞こえてくるはずの音や声をかき消して、雨が降り続く音だけがいっそう大きく響きます。昼間でも、なんだかひやっとした感じがしたり、薄暗い灰色の空をひとりで眺めていると、なんとなく沈んだ気持ちになったり・・・。けれど片山健さんは、そんな雨の日をやわらかなタッチと澄んだ色彩でみずみずしく描かれています。
良いお天気になるようにと、一生懸命願っていたコッコさん。小さな女の子のその奮闘ぶりは本当に愛らしくて、描かれている細やかな絵にもわくわくさせられます。そんなコッコさんが、あるときふと、てるてるぼうずは疲れているんだと思いました。さて、コッコさんはどうしたでしょう。そこには、心あたたまる展開が待っています。

関連書籍
『おやすみなさいコッコさん』
『だーれもいないだーれもいない』
コッコさんのともだち
『コッコさんのおみせ』
『コッコさんのかかし』
※『コッコさんとあめふり』は、「コッコさん」シリーズの6作目です。こどものとも年少版で発行された『だーれもいないだーれもいない』のみ単行本化しておらず、現在品切れです。

かぞくのじかん vol.28 2014年夏号

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『かぞくのじかん vol.282014年夏号』
出版社 婦人之友社 発行日 2014年6月5日 価格 ¥759+税

『かぞくのじかん』は、“くらす、そだてる、はたらくを考える”がキャッチフレーズのファミリーマガジンです。

今号の特集は 「時間をかけない家事のコツ」。 ・レッスン1(cleaning)・・・パターンを決めて、きれいをキープ ・レッスン2(kitchen)・・・台所まわりの小さな習慣16 以上の2つのレッスンに分けて、その時々のタイプ(例えば掃除なら「毎日派」あるいは「週末リセット派」など)に合わせたおすすめの方法や、無駄を省くちょっとしたヒントや、シンプルな暮らしをするコツが紹介されています。

その他にも「きちんと&手早い ごはんづくり」では、台所に立つ時間を少しでも減らせるようなヒントを掲載。「My Lifestyle」では、実際の家庭に密着して、その工夫や日々のようすを垣間見ることができます。 “子どもを「待てる」お母さんですか?”というタイトルだけ見ると耳が痛いようなコーナーもありますが、そこで10の質問にあたたかな視点で答えられているのは、保育士の井桁容子さん。特に最後の質問への回答は良かったです。(大きくプリントアウトしてお母さんたちにお配りしたいくらい!笑)
特集以外にも、子育てをしているお母さんのふだん着紹介や、「わにわに」シリーズを手掛ける山口マオさんのお話など、見ごたえある記事がたっぷり。
『かぞくのじかん』は家族にやさしい雑誌で、振り返りたくなるような記事も多いため、当店ではvol.22からのバックナンバーも常設しています。良かったらご覧になってみてくださいね。

わたしの

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『わたしの』
作 三浦太郎 出版社 こぐま社 発行日 2007年10月15日 価格¥800+税

大きい椅子と、中くらいの椅子と、小さい椅子。わたしのどれかな?そう、小さい椅子が“わたしの”。それじゃあ、お茶碗は?ハブラシは?靴は・・・?ページをめくるたび並んで登場するのは、大きいものと、中くらいのものと、小さいもの。
“自分のもの”という認識のもとにうまれる、その嬉しさや得意げな様子に寄り添った絵本です。


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三浦太郎さんといえば、絵本『くっついた』でなじみのある方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんが初めて出会うファーストブックとしてさまざまなところで推薦され、ブックスタート事業で市から赤ちゃんに贈られる絵本として選ばれることも多い絵本です。その続編として出版された『なーらんだ』に続くのが、この『わたしの』です。
このシリーズの最後には「作者のことば」というあとがきのようなページがあって、自身のお子さんについてのお話や、絵本ができた経緯、子どもたちに伝えたい思いなどが綴られています。ここでは、三浦太郎さんがお子さんの成長に寄り添ってこのシリーズの絵本を作られたのだということがとてもよく分かり、お子さんへの愛情はもちろん、読者の子どもたちへの愛情も感じられて、私はこのページが大好きです。
日々新しいことができるようになり、体も心もどんどん成長していく子どもたち。絵本を通して、そんな子どもたちの成長に寄り添っていけたらいいなと思います。

口で歩く

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『口で歩く』
作 丘修三 絵 立花尚之介 出版社 小峰書房 発行日 2000年10月18日 価格 ¥1,200+税


生まれて20数年ものあいだ、タチバナさんは歩いたことがありません。ずっと寝たきりで、出掛けるときは、足に車輪がついたベッドをお母さんに出してもらいます。
いいお天気の、ある日のこと。タチバナさんは散歩に出かけることにしました。ところがお母さんは、道路に出したベッドに立花さんを乗せると、ほったらかして家の中にひっこんでしまいました。でも、実はそれがいつもの光景。タチバナさんの散歩は、少し変わっています。通りすがりの人に声を掛けると行く先まで押してほしいと頼み、そこまで来たら、また別の人に声を掛けて押してもらい、自分が目指す目的地へと少しずつ進んで行くのです――。


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タチバナさんの散歩は、“口で歩く”散歩です。けれど、そうは言っても気軽に車を押してくれる人は決して多くはありません。中には、「あんたの体を治してくれる神様がいるのさ」と怪しい話を持ちかけられたり、「人の世話になってまで散歩するってのがわからねぇ。」なんて言うおじさんがいたり・・・。
でも、タチバナさんは言います。「人の手を借りなきゃ、生きていけない人間もいるってことを」認めてほしいのだと。そして、あるおばあさんはタチバナさんに言いました。「わたしがあなたをささえているようにみえて、実はあなたもわたしをささえてくれているのですよ」と。
この本の冒頭にひとつの詩が掲載されています。その中に、こう書かれていました。“人は / ひとりで生きているのではありません。/(中略)ひとりひとりが なにかの役割をになって / 人のささえあう輪の中に / 生きているのです。”
子どもたちに伝えたいことが、たくさん詰まった1冊です。

くしカツさんちはまんいんです

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『くしカツさんちはまんいんです』
作 岡田よしたか 出版社 PHP研究所 発行日 2013年11月20日 価格 ¥1,300+税


一本のくしカツが道を歩いていました。と、思ったら?くしカツのカツの上に乗っているのは、きりたんぽ鍋のたんぽに、やきとりのねぎに、みたらしだんこ。 くしカツは言います。「きみら、はよ じぶんの くし さがしや。きゅうくつで かなわん。わし、はよ タテに なりたいんや」と。でも、それぞれ自分の串がないのには訳がありました。とにかく串を探そうと歩いていくと、お箸やまち針やくし(髪の毛をとく方の・・・)なんかが、力になろうかと声を掛けてくれます。でも、刺されば何でも良いという訳ではありませんよね。しまいには、みたらしくんのたれがねぎに垂れ落ちてきて、みたらしくんはみたらしくんで、ねぎのにおいがかなわんと言って・・・。果たしてそれぞれの串に帰れるのでしょうか?(そして、くしカツさんは縦になれるのでしょうか!?)

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『ちくわのわーさん』『うどんのうーやん』『こんぶのぶーさん』など、子どもたちに大人気の岡田よしたかさんの作品です。今回もまた、擬人化されていない食べものたちが、大阪弁でああやこうやと一悶着。「はよ タテに なりたいんや」って、人(?)が良すぎるくしカツさん、みんなのお願い断れへんかったんやろうなぁ・・・(やからって、みたらしだんごにねぎはないなぁ)。ほんで、たんぽも「それ ぼくもです」って、ほんならちゃんと自分の串捕まえときいやと、次から次へと突っ込みどころ満載です。

ところで、最後の方のページに、かの有名なくしカツ屋さんらしきのれんのかかったお店があります。このくしカツさんは、もしかするとそこから出てきたのかな?

まりーちゃんとおおあめ

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『まりーちゃんとおおあめ』
作 フランソワーズ 訳 きじまはじめ 出版社 福音館書店 発行日 1968年6月20日 価格 ¥1,200+税

大雨が降って、あたり一面水浸し!とうとうまりーちゃんのお家も、水に浸かってしまいました。まりーちゃんは、お母さんに言われた通り、おばあちゃんを2階に連れて行きます。お父さんに言われるように、馬や牛たちも安全な山の上に連れて行きました。そうしてまりーちゃんも家の2階にあがりましたが、まわりは水に浸かってしまって、もう身動きがとれません。そんなとき、あひるのまでろんが水の上をすいすい泳いで、どこかへ行ってしまいました――。

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『まりーちゃんとおおあめ』というよりは、むしろ『まりーちゃんとこうずい』の方がぴったりなくらい!(でもタイトルとしては、“おおあめ”の方が素敵ですね。笑)暗い空に、増える水かさに、はらはらしてしまいます。でも、までろんの大活躍によって、なんとか危機を乗り越えるまりーちゃんたち。雨がやむと、おひさまがきらきらと光りはじめました。まるで別世界のように、おひさまはまたまりーちゃんたちを照らします。そのあたたかな光やすがすがしい気分が、絵本いっぱいに広がっています。
それで終わりではなくて、村の学校では先生が子どもたちに、家の中が泥だらけになって困っている人たちの力になるように伝えます。ほうきをもって出発する子どもたちは、なんだか頼もしい。
雨が降ると普段通りのことができなくて困ることもあるけれど、雨が続くと、続いた分だけ晴れの日の朗らかな気持ちは大きくなるのかもしれませんね。

母の友 2014年7月号

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『母の友 2014年7月号』
出版社 福音館書店 発行日 2014年7月1日 価格 ¥505+税

今月号の特集は、“幼年童話に親しむころ”。
絵が物語を語る「絵本」から、言葉や少しの挿絵によって物語を語る「童話」や「読みもの」と呼ばれる本へと足を踏み入れていく子どもたち。その橋渡しとなるのが「幼年童話」と呼ばれるジャンルです。と言ってもその定義はとても曖昧で、ここでは市立図書館の司書をされている伊藤明美さんが、図書館においての定義や、子どもたちに人気のある幼年童話について紹介されています。
私がとても共感したのは、幼年童話に出合うべき時期と読書能力のお話、なかでもそれを手渡す大人の配慮や心持ちについて述べられているところです。文字(あいうえお・・・)が読めることと、物語をイメージしながら文章が読めることとでは随分違いますよね。その点を分かりやすい言葉で述べられているので、「いつまで大人が読んであげたらいいの?」なんて疑問をもっていらっしゃる方には、特におすすめしたい特集です。

人の育ちに寄り添う仕事に就いた人々の、仕事への思いと歩みを丁寧に聴く新シリーズ「育てる人」も始まりました。第1回目の今号は、「りんごの木子どもクラブ」代表の柴田愛子さんのお話です。

来月号の特集1は、“絵本?おもちゃ?しかけ絵本の世界”。しかけ絵本の魅力と、通常の絵本との違いとは?
特集2は“いま、日本にある危機”。貧困や格差など、社会に広がるひずみの原因を探ります。
どうぞお見逃しなく!

少しですが、当店でも幼年童話ややさしい読みものを取り扱っております。ご相談もお気軽にどうぞ!

おしいれのぼうけん

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『おしいれのぼうけん』
作 古田足日、田畑精一 出版社 童心社 発行日 1974年11月1日

さとしとあきらが通うさくら保育園には、怖いものがふたつあります。ひとつは、先生の言うことを聞かない子が入れられる「おしいれ」で、もうひとつは、先生たちがやる人形劇に出てくる「ねずみばあさん」です。ある日のこと、昼寝の時間がきたというのに、さとしとあきらは寝ている子どもたちの上を駆け回っていました。怒った先生はおしいれの戸を開けると、あきらを下の段に、さとしを上の段に入れて、戸を閉めてしまいました。なかなか“ごめんなさい”を言わないふたり。あせぐっしょりになりながらも、穴から外を覗いたり戸を蹴ったりしながら先生に抵抗してました。でも、だんだんと怖くなってきて・・・。諦めかけたそのとき、おしいれのぼうけんがはじまりました――。

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ほとんどのページが鉛筆で描かれた白黒の絵で、子どもたちの熱気や手に汗握るような気持ちが、じわじわと絵本から伝わってきます。冒険がはじまるとストーリーには更に臨場感があふれ、さとしとあきらが手を繋ぎ、勇気をもって進んでいく様子には彼らの深まる友情を感じます。
そんなふたりが立ち向かったのは、先生が操る人形劇のねずみばあさんよりももっと大きくて、たくさんのねずみたちを率いる恐ろしいねずみばあさん。そのねずみばあさんを倒したのは、アニメに出てくるようなかっこいいヒーローではなくて、この小さなふたりの男の子です。
この本が長く愛され続けている理由のひとつは、きっとここにもあるような気がします。

「てを つなごう」。
あきらがさとしに、さとしがあきらに言った、この本の合言葉みたいなこの言葉が、子どもたちの心のどこかにそっと残っていてくれたら・・・きっとまたどこかで誰かにそう言って、手を差し伸べられる日がくるかもしれませんね。

いってらっしゃーいいってきまーす

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『いってらっしゃーいいってきまーす』
作 神沢利子 絵 林明子 出版社 福音館書店 発行日 1985年4月1日 ※月刊「こどものとも」1983年7月1日発行 価格 ¥800+税


なおちゃんちで、朝1番先に出掛けるのはお母さん。だからなおちゃんは、お父さんと自転車に乗って保育園へ行きます。たばこ屋のおばあちゃんに自転車から「おはよう」と手を振って、まだほとんどシャッターが閉まっている商店街の前を通ると保育園に着きました。なおちゃんは、保育園でおうちごっこをしたり、給食を食べたり、お昼寝をしたり。夕方になると、お母さんが迎えにきました。夕飯の野菜やお肉を買って帰ります。
なおちゃんが保育園に行って帰ってくるまでの景色を、丁寧に描いた1冊です。


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お父さんと自転車で向かう行き道は、少し離れたところからなおちゃんたちを見ているような広い構図で描かれています。反対にお母さんと手を繋いで歩く帰り道は、なおちゃんの視点でお母さんの腰より下の、低い目線で描かれています。その対比がとてもおもしろくて、行き道と帰り道を見比べるだけでも本当にわくわくします。 林明子さんの描く絵はあたたかみがあって、筒井頼子さんとの絵本『はじめてのおつかい』や『とんことり』などにも見られるように、登場人物がリンクしていたり、ストーリーとは別にちょっとしたストーリーが隠れていたりと、じっくり書き込まれた絵が魅力的です。本書では、神沢利子さんとの絵本『ぱんだいすき』の子どもたちがこっそり登場していたり、なおちゃんの1日にそったお話かと思えば、表紙にいる小さな動物たちの1日も描かれていたりと、この他にも楽しい発見がたくさん!
お話をたっぷり楽しんだあとは、ぜひ絵もじっくりと味わってみてくださいね。

ねこのオーランドー

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『ねこのオーランドー』
作 キャスリーン・へイル 訳 脇明子 出版社 福音館書店 発行日 1982年7月15日 ※原書『ORLANDO THE MARMALADE CAT-A Camping Holiday』1959年発行 価格 ¥1,800+税

やさいのおなか

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『やさいのおなか』
作 きうちかつ 出版社 福音館書店 発行日 1997年1月31日 価格 ¥1,000+税

野菜のおなか(断面図)が白黒で描かれていて、「これ なあに」。次のページをめくると、カラーの断面図と、その野菜の絵が描かれています。出てくる野菜は11種類!大人が見ても、ん?と思わず首をかしげてしまうような難しい“おなか”も出てきます。視点が楽しい、クイズ形式の絵本です。
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先日、おはなし会(大きい子のじかん)でこの絵本を読んだところ、子どもたちは大盛り上がり!
中でもおもしろかったのが、たけのこの断面図を見た男の子が「ごりら!」と言ったところ。確かにごりらに見えるかも・・・。
ご参加くださっていたお母さんたちも巻き込んで、とても楽しい雰囲気になりました。そんな風に、これはああも見えるね、こうも見えるね、なんて自由な想像をふくらませるのもわくわくします。
身近なものだけれど知らなかった姿(みなさん、トマトの断面図は思い浮かびますか?)や、新しい視点(たけのこの断面図がごりらに見えるなんて!)に出会えることが、なんと言ってもこの絵本の醍醐味です。
絵本を閉じた後も、じゃあこの野菜は?この果物は?おなか以外の、裏はどうかな?種を切ってみたら・・・?そんな風に、たくさんの気付きが生まれそう。
ちなみに実は小さなヒントがあって、例えば表紙に描かれている“おなか”の枠をよく見ればオレンジ色をしていますよね。
それぞれの断面図は白黒ですが、その枠は、答えの野菜をイメージする色になっているんですよ。
※関連する絵本として、『やさいのせなか』、『くだものなんだ』(どちらもきうちかつ作、福音館書店)があります。

もこもこもこ

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『もこ もこもこ』
作 谷川俊太郎 絵 元永定正 出版社 文研出版 発行日 1977年4月20日 ¥1,300+税

「しーん」(紫色をした地面に青い空。これから何が始まるのでしょう。)

「もこ」(地面がもこっと盛り上がりました。空は、うっすら明るくなってきました。)

「もこもこ」 「にょき」(さっきの「もこ」はさらに盛り上がり、隣に何か新しいものがにょきっと生えてきました。)

ページをめくるたび、奇想天外で不思議な世界が広がっています。どきどきしたり、驚いたり、おかしかったり、楽しかったり。固くなった大人の心をほどいて、子どもたちには直球勝負で向かってくる。そんな、一風変わった絵本です。
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扉にタイトルページはなく、表紙を開いたところからお話は始まります。大人は最初の見開き2ページで、この絵本に対して何らかの感情を抱くはず。谷川さんがご自身でもおっしゃっているように、「へんなえほん」と思う方が大半かもしれません。私も初めてこの絵本に出会ったときは、すっかり驚きました。驚いて、わくわくしました。まるで絵本から飛び出してしまいそうなくらいの、うんと自由なものを見つけてしまった!という感じ。そしてなにより、子どもたちが驚いたり笑ったりしながらこの絵本を感じてくれることを知って、とても嬉しかったです。
この絵本は、とうとう100万部を突破しました。この数からも、どれだけ子どもたちに愛されている絵本かということが分かりますよね。


100万部を記念して、なんと今なら絵本にレジャーシートが付いています(価格は同じです)。ちょっとシュールでインパクトのあるシートですが、もこもこ好きには嬉しいなぁ。みなさんも良かったらどうぞ。 ※数に限りがあるので、お求めの方は事前にご連絡ください。(06-6868-9382)

ないしょのかくれんぼ

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『ないしょのかくれんぼ』
文 ビバリー・ドノフリオ 絵 バーバラ・マクリントック 訳 福本友美子 出版社 ほるぷ出版 発行日 2014年5月20日 価格 ¥1,600+税

マリーの娘マリアとネズミの娘ネズネズは、ないしょのおともだち。マリアが暮らす家の端に小さな扉があって、ネズネズの家族はそこで暮らしていました。ある夜のこと、おやすみの支度を整えたマリアがママを呼ぶと、返事がありません。ネズネズの方でも、いくら「マーマー!」と叫んでも返事がありません。ママはどこにいるの?ふたりはそれぞれ慌てて家じゅうを探しますが、やっぱりママはいません。さて、ママたちはいったいどこへ行ったのでしょうか・・・?
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前作『ないしょのおともだち』が日本で発売されてから5年、待ちに待った続編です。前作では、マリアのお母さんマリーとネズネズのお母さんネズミがメインのお話でしたが、今回は世代が変わって子どもたちのお話です。変わらないのは、マリーとネズミが良く似ていたように、マリアとネズネズもまた、家族構成や行動がそっくりです。ママを探す姿もそう!くすっと思わず笑ってしまうくらい、別々に探しているのにふたりの行動は本当によく似ています。 個人的に嬉しかったのは、ネズミの家族のお家の中が前作よりも広く描かれているところ。プチトマトなんかがよく入っているようなプラスチックのパックを机に、小さな小瓶を椅子にしたテーブルセット。壁に飾ってあるものも、家具として使われているものも、見れば見るほど胸がときめきます。
最後のオチもまた素敵です。ああだね、こうだね、なんて言いながら、親子で楽しみたい1冊です。


ないしょのおともだち

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『ないしょのおともだち』
文 ビバリー・ドノフリオ 絵 バーバラ・マクリントック 訳 福本友美子 出版社 ほるぷ出版 発行日 2009年5月25日 価格 ¥1,600+税

マリーという女の子が、家族と一緒に暮らしていました。ある晩のこと、夕飯の後片付けをしていたマリーはフォークを落としました。拾おうとして、びっくり。時計台の下の小さな穴の向こうにも、同じようにスプーンを拾おうとしたネズミの女の子がいたのです。目が合ってからというもの、両親にはないしょで毎晩こっそり手を振り合っていました。けれど時が経ちふたりは大きくなり、それぞれ家から出て行くことに。もう会えなくなった、マリーとネズミでしたが・・・。
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ひょんなことから気が付いてしまったお互いの存在。マリーの両親はネズミに近寄らないようにと、ネズミの両親は人間に近寄らないようにといつも言っていたので、ないしょのおともだちになったふたり。この“ないしょ”というのが良いですよね。どきどきするような、思わず心がはずんでしまうような。 その後マリーは結婚し、女の子のお母さんになりました。ネズミも同じように結婚して、女の子のお母さんになりました。そう、マリーの娘のマリアとネズミの娘のネズネズもまた、お母さんたちのような出会いを果たすのです。 絵は細部まで書き込まれていて、ネズミの家のソファーがたまごのパックでできていたり、切手を絵のように壁に飾っていたりと、絵を見ているだけでわくわくします。

2014年5月には、娘のマリアとネズネズの続編『ないしょのかくれんぼ』が発売されました。こちらは明日ご紹介します。

星燈社

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星燈社さんから、和柄の布こものや紙ものが届きました。
よだれかけ 星燈社の和柄を染めたてぬぐい生地と、ノンホルマリンのタオル生地でつくられた綿100%のスタイです。プラスチックボタンなので、金属アレルギーのお子さまでも安心です。
書くるみ やわらかな木綿としっかりとした帆布でできた、文庫サイズのブックカバーです。 ちり紙いれ 裏面にポケットが付いている、便利なポケットティッシュケースです。
ひとふみ 角丸の2つ折りカードと、ぽち袋サイズの封筒のセットです。贈りものにひとこと添えるときや、ちょっとした手紙に。お誕生日カードや出産祝いのカードとしてもおすすめです。


星燈社のこと
星燈社は「日本の文化や精神性を、日常生活の中に取り入れてゆくきっかけを作る」ことを出発点にした雑貨メーカーです。
星燈社の和柄は、全て手書きの原画からつくられています。色も、日本の伝統的な色を使っていて、それぞれに「こでまり」、「ひなぎく」、「雪柳」・・・と、名前が付いています。同じ柄で、布こものや紙もの、茶筒などいろいろな展開があるので、お気に入りの柄を見つけたらついつい集めたくなってしまいます。個人的には、「ひなぎく」の柄がお気に入りです。





よだれかけ ¥1,500+税 書くるみ ¥1,300+税 ちり紙いれ ¥700+税 ひとふみ ¥260円+税
※それぞれについている黒いタグはシールなので剥がせます。

マドレーヌといたずらっこ

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『マドレーヌといたずらっこ』
作 ルドウィッヒ・ベーメルマンス 訳 瀬田貞二 出版社 福音館書店 発行日 1973年5月10日 ※原書『MADELINE AND THE BAD HAT』1956年発行 価格 ¥1,400+税

マドレーヌたち12人の女の子とミス・クラベル先生が暮らす屋敷の隣に、ある日スペイン大使が引っ越してきました。けれど困ったことに、ぼっちゃんのペピートはとんでもないいたずらっこだったのです!ある日のこと、マドレーヌたちは散歩の途中に袋をしょったペピートを見つけました。あたりの犬が続々と集まり犬たちの餌を運んでいるのかと思いきや、袋から出てきたのは1匹のねこ。犬たちと、おにごっこをさせようと言うのです。かわいそうなねこ!ところがあわれなペピート、考えとは裏腹に、たくさんの犬たちにもみくちゃにされてしまって・・・。


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スピード感のあるストーリー展開が、とても爽快な1冊です。マドレーヌたちはペピートのいたずらっぷりに嫌気がさしているのか、てんで相手にしません。ペピートが包帯でぐるぐるになった姿を見ても、「いいきみだわ」なんて言ってやります。けれど、もうしないと誓い、絶対に心を入れ替えると言うペピートの言葉を信じて、「それは すてき。きっと きっとよ。」と答えます。事実その通り、ペピートはすっかり心を入れ替えたのです。

このペピートは、同時出版された『マドレーヌとジプシー』にも登場します。サーカスが好きな人には特におすすめの1冊です。