もりのパンやさん
『もりのパンやさん』 文 松谷みよ子 絵 ひらやまえいぞう 出版社 童心社 発行日 2004年10月20日 価格 ¥800+税 森の中に、1軒のパン屋さんがありました。 ある晩、きつねがパン屋のおじさんのもとへ訪ねてきて、「ぼくにも パンを つくらせて」と言いました。ぼくのパンを作りたいの、って。 できあがったのは、きつねのしっぽのような、ふくふくしたフランスパン。 その次の晩はたぬきが、その次の晩はりすがやってきて、思い思いのパンを作ります。 毎晩のお客さまでくたびれたのは、パン屋のおじさん。 ぐっすり寝込んだあと、目を覚ますと・・・? * * * * * * * 私は、平山英三さんの絵が好きです。 有名なのは、クマの親子が表紙の『ぽとんぽとんなんのおと』(神沢利子作、福音館書店刊)でしょうか。 小さなクマと女の子のやりとりが楽しい『いちごつみ』(神沢利子作、童心社刊)もそうですが、平山英三さんの描くクマは、なんともクマらしく、けれど愛嬌もあって、あたたかみもあって、本当に素晴らしい。 そんな平山英三さんが手掛ける絵本の中でも、私が1番好きなのは、月刊「こどものとも年中向き」の『こぐまとりすのさんぽ』(福音館書店刊)です。※残念ながら、現在は販売されていません。 ここに出てくるこぐまも例外ではなく魅力的なのですが、なんと言っても、りすがとにかくかわいい! だから、この『もりのパンやさん』に出てくるりすもまた、私は大好きで。 童心社さんのホームページ「 松谷みよ子あかちゃんのおいしい本 」のページにその絵が掲載されているので、良かったらご覧になってみてください。ちょこんと被ったコック帽がとても素敵ですよ。 のびやかな動きや、やさしいタッチの色付けが、とても良いなあと思います。 話がすっかり本題からずれてしまいましたが、松谷みよ子さんの文章はやっぱりきれいだし、『もりのパンやさん』で作られたパンは、どれも本当においしそう。 私なら、どんなパンを作ろうかなって、つい思いをふくらませてしまいます。