よくきたね

『よくきたね』

作 松野正子
絵 鎌田暢子
出版社 福音館書店
発行日 2009年6月10日
※月刊「こどものとも0.1.2.」2004年4月1日発行




「おいで おいで ここまで おいで」
お母さん犬が子犬を呼んでいます。

「よくきたね いいこだね」
お母さんは子どもにいいこいいこします。

猫のお母さんも子ぶたのお母さんも、それから熊のお母さんも。

最後は人間の小さな子どもを、お母さんが呼んでいます。そして両手でぎゅっと抱きしめると、「よくきた よくきた いいこ いいこ」。

* * * * * * *

ふわっとしたやわらかなタッチで、毛並みまで丁寧に描かれた動物たち。
「いいこ いいこ」と子どもを受けとめるお母さんの表情からはその想いが伝わって、優しい気持ちに包まれるよう。

“よくきたね”その言葉には、単に「上手にここまで歩いてこれたね」ということだけではなくて、“よくここに産まれてきてくれたね”、“お母さんのところに産まれてきてくれてありがとう”、そんな想いが込められているようにも感じられます。

忙しい毎日のなかでも、手に取るたび心がほっとあたたまるような1冊です。