いっしょだよ

『いっしょだよ』
写真・文 小寺卓矢
出版社 アリス館
発行日 2012年5月5日
価格 ¥1,400+税
森の中で生まれたばかりの木の芽も、花も葉っぱも、たくさんの蜘蛛の子たちも、みんなひとりぼっちじゃないよ。いっしょだよ。森の中では、わいわいがやがや、いっしょのものがたくさん集まっています。でも、ほんとはね・・・。
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著者は、「森に息づくいのちの繋がり」をテーマに、北海道の森や自然の営みを撮影されているという小寺卓矢さん。本書のみずみずしく美しい写真からも、森のなかで生きる草花や生きものたちの息づかいが感じられます。
前半部分から一変して後半では、いっしょに見えるものたちも、本当はみんなそれぞれに個があることを教えてくれます。違うもの同士、ひとりとひとりがいるから“いっしょ”なのだと。
それは、私たち人と人との世界にも通じるものを感じます。草と水、花と虫、種と風・・・自然の中で違うものに助けてもらったり、違うもの同士が支え合ったりしながらいっしょに存在しているように、私たちもまたそうやって人と人、人と自然がいっしょに生きているのだから。
小寺さんの写真絵本はこの他に、『森のいのち』、『だって春だもん』があります(どちらもアリス館刊)。良かったらこちらもご覧になってみてください。