おおきなかぶ

『おおきなかぶ(ロシアの昔話)』

再話 A.トルストイ
訳 内田莉莎子訳
画 佐藤忠良
出版社 福音館書店
発行日 1966620
※月刊「こどものとも」196251日発行
価格 ¥800+税


おじいさんが植えたかぶはとてつもなく大きくなって、抜こうと思えど1人では抜けません。そこでおじいさんはおばあさんを呼んできて、おばあさんは孫を呼んできて、うんとこしょどっこいしょ。それでもかぶは抜けなくて、孫は犬を犬は猫を、猫はねずみを呼んできて・・・。

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ロシアの作家トルストイによって書き改められた昔話を、『てぶくろ』や『しずくのぼうけん』などの翻訳を手掛ける内田莉莎子さんによって翻訳された絵本です。あまりにも有名な絵本になったため、内田さんご本人が「ときどき、本当にこの文章を書いたの私かしら?などと思ってみたりします。」とおっしゃるほど(『おじいさんがかぶをうえました 月刊絵本「こどものとも」50年の歩み(福音館店)』より)。
何度も繰り返される「うんとこしょ どっこいしょ」。この言葉は、原文で「ひっぱります」と書かれていたところを内田さんがこう訳されたといいますが、これはこの絵本の大きな魅力のひとつですよね!現にこの絵本を読んだ子どもたちは、例えば重たい荷物を引っ張って運ぶとき、はたまたいもほりのときなど、いろいろな場面でこの言葉を口にしています。
単純明快でシンプルなお話ですが、大きなかぶができたと嬉しそうに親指を立ててポーズをとるおじいさん、かぶを抜こうと必死になって鼻を膨らまる女の子など、じっくり絵を見ると思わずくすっと笑ってしまうような場面も。力強い絵の中にもユーモアがあって、何度も繰り返し楽しみたくなる1冊です。