小さなバイキングビッケ

『小さなバイキングビッケ』

作 ルーネル・ヨンソン
絵 エーヴェット・カールソン
訳 石渡利康
出版社 評論社
発行日 2011930
価格 ¥1,400+税

pieni silta

ビッケのお父さん、ハルバルはバイキング。たくましい体つきで力も強く、フラーケ地方の族長をしています。一方息子のビッケは小さくて臆病者。オオカミと戦うフラーケの少年たちとは違い、いつも力ではなく知恵で戦っていました。
そんなビッケでしたが、あるときのこと、ハルバルや仲間たちとともにバイキング遠征に行くことになって・・・?

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今から千年ほど昔、スウェーデンの海岸に住んでいたという“バイキング”。男たちは船で遠征しては町をおそい、人々から恐れられていたといいます。けれどそんな彼らにまじって、頭を使って活躍するのが小さなバイキング、ビッケです。無鉄砲ではちゃめちゃだけれど勇敢なハルバルと、弱虫だけれどかしこくて、知恵でみんなを助けるビッケ。とっても素敵な親子と、個性的でゆかいな仲間たち。ビッケがなにかひらめくときには火花が散ったり(これはハルバルにしか見えない)、海峡税を取るデンマーク人に財宝が少ないふりをするため悲しい顔をする練習をしたり(できない人には顔に袋をかぶせる徹底ぶり!)と、そのユーモアに思わず笑ってしまう場面も。
本を読み進めれば、まるで同じ船にのっているかのような気分になります。中嶋香織さんの装丁もすてきです。気になった方は、本のカバーをぺらっとめくってみてくださいね。