はしれ、トト!

『はしれ、トト!』

作 チョ ウンヨン
訳 ひろまつゆきこ
出版社 文化出版局
発行日 2013年7月7日
※原書『La COURSE』2010年発行(フランス)
価格 ¥1,800+税


馬のぬいぐるみの「トト」は、“わたし”のお気に入り。けれど、その女の子は、まだ本物の馬を見たことがありませんでした。
ある日、おじいちゃんが、女の子を競馬場に連れていってくれることになりました。

競馬場に着くと、たくさんの人がいました。そこへ、馬と、騎手たちも入場してきました。
すると女の子は、その馬の中に、トトそっくりの馬がいることに気が付きました。
――「トト、がんばって!」

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2011年のブラティスラヴァ世界絵本原画展で、グランプリを受賞した作品です。この年は、いまいあやのさんの『くつやのねこ』(BL出版刊)が「子ども審査員賞」に、2013年には、きくちちきさんの『しろねこくろねこ』(学研教育出版刊)と、はいじまのぶひこさんの『きこえる?』(福音館書店刊)が「金のりんご賞」に選ばれています(これって、とっても嬉しいことです!)。

話がそれてしまいましたが、この『はしれ、トト!』は、とても力のある絵本です。土のにおいだとか、人の熱気だとか、そういうものがわあっと読み手に迫ってくるような感覚がすごくおもしろいし、表紙にもなっているレースの場面では、一転して気持ちの良い風が吹き抜ける感じがします。
これがまたすごく爽快で、とってもいいなぁと思います。



ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)について
1967年設立。スロバキアの首都ブラティスラヴァで1年おきに開催されている、絵本原画の展示会です。
「グランプリ」が1点、「金のリンゴ賞」が5点選ばれるほか、「子ども審査員賞」などの特別賞も選ばれます。国際的な賞としては、世界で最も古いコンクールです。