さむがりやのサンタ

『さむがりやのサンタ』

作・絵 レイモンド・ブリッグズ
訳 すがはらひろくに
出版社 福音館書店
発行日 1974年10月25日
価格 ¥1,200+税
原書『FATHER CHRISTMAS』1973年発行(イギリス)



さむがりやのサンタさんが、目を覚ましました。
今日は12月24日、クリスマス・イヴです。

トナカイにごはんをあげて、自分も朝ごはんを食べて。
それからそりにプレゼントを積み込むと、
赤い洋服に着替えて、空へと飛び立ちました  

* * * * * * *

セリフの手書き文字が味わい深い、コマ割りの絵本です。

さて、このサンタさん、とにかく小言が多いのです。
なんたって最初のセリフは、「やれやれ また クリスマスか!」。
そこへ「えんとつなんて なけりゃ いいのに!」(すすだらけになっちゃうから?)と言い、子どもたちが用意したジュースを見て言うのは、「ふん なんだ ジュースかい」(どうも、お酒が好きみたいです)。

とにかく、人間味あふれるサンタさんで、でもそれがとってもいい。

だって、この寒いなか、風だって冷たいし雪が降ることだってあるし・・・。
そりゃあちょっとくらい文句だって言いたくなりますよね。
そんなサンタさんには、なんだか親しみさえわいてしまいます。

小言をこぼしながらも、きちんと仕事をこなしていて、
トナカイや、お家のクロとポチ(ねこといぬ)を、とても大切にしています。

愛嬌があって、なんだかにくめない。
こんなサンタかわいいサンタさんがいても、いいなあと思います。

このサンタさんの夏休みを描いた、『サンタのなつやすみ』という絵本もあります。
こちらもよければご覧くださいね。