2015/02/11

じぶんだけのいろ

『じぶんだけのいろ
いろいろさがしたカメレオンのはなし』

作 レオ=レオ二(Leo Lionni)
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1975年
価格 ¥1,068+税
※原書『A color of his own』



動物は、それぞれ自分の色をもっています。
けれどカメレオンだけは、べつ。
行く先々で、色が変わります。

ある日、1匹のカメレオンは、
年上のカメレオンと出会って、言いました。
「ぼくらは どうしても じぶんの いろを もてないんだろうか?」
すると、年上のカメレオンは言いました。
「でも,ぼくら いっしょに いて みないか?いく さきざきで やっぱり いろは かわるだろう,だけど きみと ぼくは いつも おんなじ。」 
 と  

* * * * * * *

私は、レオ・レオ二さんの絵本が好きです。

コラージュ、こすり出し、スタンプ・・・おはなしによって使い分けられたさまざまな技法は、本当に巧みで、目を見張ります。ときにはみずみずしく、ときにはしっとりと、どれも美しく、うっとりするような素晴らしい絵です。

おはなしや読み手の受け取り方にもよりますが、大きなテーマとしてよく取り上げられているのは、「個性」といったようなところ。違いをみとめるということや、それぞれに役割があるということが、大切に描かれています。

たとえば、『スイミー』の黒い魚は他の魚たちと違っていたし、『コーネリアス』の立って歩いたワニもまた、ほかのワニたちと違っていました。『フレデリック』にしても、『ペツェッティーノ』にしても・・・。たとえおはなしは似つかなくても、根本にあるものは共通しているように思います。

この『じぶんだけのいろ』に出てくるカメレオンも、自分はほかの動物たちと違って、自分の色をもてないことを嘆いています。けれど、1匹のカメレオンとの出会いが、そんな不安や悲しみをぬぐってくれたのでしょう。最後の2匹の表情を見ると、そう思います。

絵本を読むと、あとにじんわりと残るものがあって、うれしくなる1冊です。