たんぽぽ 荒井真紀

『たんぽぽ』

文・絵 荒井真紀
出版社 金の星社
発行月 2015年3月
価格 ¥1,200+税


冬のあいだ、
地面にぴったりと葉をはりつけていた、たんぽぽ。

そんなたんぽぽも、
春になると、茎はつぼみを持ち上げながら、
どんどん伸びていきました  

たんぽぽの花は、どんなふうに花びらをひらくのかな。
花は、どれくらいの間、咲いているのかな。
綿毛は、ひとつのたんぽぽから、どれくらいできるのかな。

たんぽぽの、たくさんのふしぎに迫ります。

* * * * * * *

店の前の街路樹のところに、毎年たんぽぽが、花を咲かせます。
ロゼットになって冬を越しているのを見ているから、そのたんぽぽが花を咲かせはじめると、春がくるんだなあとうれしくなります。
それに、たんぽぽがならんで花をひらく姿は、「待ってました!」と言わんばかりに、なんだかうれしそう。本当に、たんぽぽはかわいいなあ、と思います。

絵本のはなしに戻りますが、毎年春になると見ているたんぽぽなのに、たんぽぽが何日花を咲かせているのか、この本を読むまで知りませんでした。
それに、綿毛の数も!20や30じゃないのは分かっていたけれど、なるほどなるほど・・・。
知らないことがいくつもあって、とてもおもしろかったです。

荒井真紀さんのこのシリーズは、『あさがお』、『ひまわり』につづく、3冊目。この『たんぽぽ』は、今月出たばかりの新刊です。続くといいなあ、と思っていたシリーズなので、すごくうれしいです。


その絵の美しいことといったら・・・!精密さはもちろんのこと、花の特徴や生態のことも分かりやすく紹介されていて、ぐっと引き込まれてしまいます。

ちなみに、表紙と裏表紙はつながっています。とてもきれいな絵なので、ぜひ開いて見てみてくださいね。

※たんぽぽの絵本では、甲斐信枝さんの『たんぽぽ』もおすすめです。生態的な説明は、今日ご紹介した新井さんのものと比べると少なめですが、甲斐さんのものは、たんぽぽと綿毛がお母さんと赤ちゃんみたいに描かれていて、じーんと胸があつくなります。