ふくろうくん
『ふくろうくん』
作 アーノルド・ローベル
訳 三木卓
出版社 文化出版局
発行年月日 1976年11月20日
価格 ¥854+税
※原書『OWL AT HOME』1975年発行(アメリカ)
暖炉のある、
2階建ての家に暮らしている、ふくろうくん。
すこし心配性で、まぬけなところは否めません。
けれどとてもやさしくて、愛嬌たっぷり。
そんなふくろうくんの、
5つのおはなしが収録されています。
※収録タイトル
「おきゃくさま」
「こんもりおやま」
「なみだのおちゃ」
「うえとした」
「おつきさま」
* * * * * * *
“おひとよしで、ちょっぴりまがぬけていて、善意あふれるふくろうくんの物語。見事な絵と語り口の、いぶし銀のような絵本です。”
これは、文化出版局さんのホームページ掲載されている、本書の紹介文です。
「いぶし銀」とは、いぶしをかけた(すすで曇りをつけた)銀のことで、見た目の華やかさはないけれど、実力や魅力があるもののことを言うそうです。
それを知って笑ってしまいました。たしかに「いぶし銀」のような本だから。
わたしが特に好きなのは、「こんもりおやま」と「おつきさま」のおはなし。
「こんもりおやま」は、ベッドに入ったふくろうくんが、自分の足を、突然あらわれた“こんもりくん”だと思って(つまり、なにかが布団の中に入り込んでいると思って)、てんやわんやするおはなし。ちょっぴりかわいそうだけれど、おかしくて、笑ってしまいます。
「おつきさま」は、自分のあとをついてくるお月さまと、お友だちになるおはなし。とてもおだやかで、ほっこりするおはなしです。
そのほかの3話も、ふくろうくんらしくて、いいなあと思います。
1話1話は短めなので、“今夜はこのおはなし”と決めて、眠る前に読むのもおすすめです。