ティッチ

『ティッチ』

作・絵 パット・ハッチンス
訳 石井桃子
出版社 福音館書店
発行年月日 1975年4月25日
※原書『TITCH』1971年発行(アメリカ)
価格 ¥1, 100+税


ティッチは、小さな男の子。

彼には、ずっと大きな兄さんと、
ちょっと大きな姉さんがいました。

兄さんと姉さんは、
いつもティッチより大きなものを持っていて、
自転車にしても、凧にしても、
ティッチが持っているのは、
いつもそれよりうんと小さなものでした。

そんななか、
兄さんは、大きなシャベルを持っていました
姉さんは、大きな植木鉢を持っていました。

そこでティッチが持っていた、
“小さなもの”とは・・・?

* * * * * * *

きょうだいって、こんな感じ。下の子は、いつもお兄ちゃんやお姉ちゃんよりも、小さなものを持つはめになるんですよね。あたりまえと言えば、あたりまえのことだけれど(だって、体も小さいから、大きな自転車は乗れませんし、ね)、それでもやっぱりうらやましくて、ちょっと悔しい。

そんなティッチにも、出番がやってきます。小さなものでも、いつかは実を結ぶってこと、小さくったって、ちゃんと意味があるんだってこと、そんなことを、ティッチは教えてくれます。
小さくったっていいんだよ、ってね。

でもそれは、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいなければ、気付かないこと。
きょうだいにはそれぞれの役割があって、だからこそおもしろいのだと、この本を読むたび思います。