ぐりとぐらのかいすいよく

『ぐりとぐらのかいすいよく』

作 中川李枝子
絵 山脇百合子
出版社 福音館書店
発行年 1977年4月1日
※月刊「こどものとも」1976年8月1日発行
価格 ¥800+税


ぐりとぐらが波打ち際で遊んでいると、
1本のビンが流れ着きました。

コルクの栓を開けてみると、
中には、手紙と、地図と、浮き袋が2つ。
そして手紙には、こう書かれていました  

“しんせつなともだちへ

しんじゅ・とうだいへ
きてください。

うみぼうずより”

* * * * * * *

“うみぼうず”と聞くと、なんだか、すこしヒヤッとした、妖怪のたぐいをイメージしてしまいがちですが、ここに出てくる海坊主は、男の人の姿をしたやさしいうみぼうずです。

『ぼくらのなまえはぐりとぐら』(福音館書店刊)という本があります。絵本「ぐりとぐら」についてのQ&Aや、制作の裏話などがまとめられたものです。その中で、このうみぼうずが、水泳教室の先生をモデルにしていると語られていました。
なるほど、だからこんなにも親しみやすい姿なのかと、納得してしまいました。

そして、その泳ぎのうまいことと言ったら!
「くじら・およぎ」に「ひらめ・およぎ」、「イルカ・ジャンプ」・・・と、たくさんの泳ぎを披露してくれた、うみぼうず。

泳げなかったぐりとぐらも、立派に泳げるようになりました。

「げんきいっぱい とびこんでこい、それっ」

そう言って、うみぼうずはぐりとぐらが泳げると信じて、手をさしのべてくれました。頼もしい、すてきなコーチですよね。

水着姿のぐりとぐらも、とてもかわいいです。