昆虫 ちいさななかまたち

今朝わたしが出勤すると、扉に1匹のカマキリがくっついていました。


こんなに間近で見たのは、いつぶりだろう。子どものころは、たくさんのあかちゃんを見たこともあったけれど、このあたりだとどこで見られるのかな・・・。そんなことを思いながら、扉に挟まれても危ないので、オリーブの木に移ってもらいました。


しゅっとしたきれいな手で、顔を洗うような仕草。久しぶりに見たなあ。
見れば見るほどカマキリって、ほんとうにきれいです。

そうそう、カマキリと言って思い浮かぶのは、やっぱり『かまきりのちょん』です。同じく得田之久さんの、『かまきりのこどもがうまれた』も好きだなあ。(いずれも福音館書店刊、残念ながら現在はどちらも品切れ)

そういえば、まだこの本をご紹介したことがなかったと気がつきました。こちらも同じ、得田之久さんの絵本です。


これは、わたしたちが知っている「図鑑」とは、少し違っています。それについて得田さんは、“図鑑が断片的な知識だけをあたえるということに、ウェイトをおきすぎている”のではないかと言い、“ここに、ひじょうに独断的な解釈をもってこの図鑑を製作した”と、この本のあとがきで綴られています。

たとえば一般的な図鑑が、虫の標本のようなものだとしたら、この本の中の昆虫たちは“生きている”。わたしにとって、そんな風に感じる1冊です。

さて、このブログを書いている間に、気が付けばカマキリはどこかへ行ってしまいました。でも、おかげで久しぶりに、虫の世界を見たような気がしました。

 
『昆虫
―ちいさななかまたち―』

文・絵 得田之久(とくだゆきひさ)
出版社 福音館書店
発行年 1974年11月20日
価格 ¥1,500+税