ちいさいきかんしゃ

『ちいさいきかんしゃ』

文・絵 ロイス・レンスキー
訳 わたなべしげお
出版社 福音館書店
発行年月日 1971年1月25日
※原題『THE LITTLE TRAIN』1940年発行
価格 ¥900+税



スモールさんは、小さい機関車の機関士です。
毎日必ず、機関車に油を差し、車体を磨きます。スモールさんは、この小さい機関車が、とても自慢です。

石炭入れをいっぱいにすると、郵便車や客車を繋ぎます。駅では、郵便物を積み込んだり、お客さんが乗り込んだり・・・。準備が整えば、さあ出発です。

汽笛を鳴らして、車輪が回り始めました  

* * * * * * *

“ボイラー”、“すなだめ”、“じょうきだめ”・・・そんな各部の名前から、どのような仕組で動くのか、はたまた、どんな景色を走るのかなど、機関車のこと、そして機関士のことを、ていねいに綴った1冊です。

淡々と綴られていくようで、その無駄のない文章は、幼い子どもたちにも分かりやすく届きます。見返しのところには町並みの絵があって、スモールさんがたどった道の一部を追うことができます。
絵の中のこの人は、どうして急いでいるのかな?ここの、この人は・・・?と、想像もふくらみます。

なによりスモールさんはとてもいい表情をしていて、仕事を楽しんでいることが、こちらにまでよく伝わってきます。