2017/04/16

つくし

『つくし』

作 甲斐信枝
出版社 福音館書店
発行年月日 1997年2月28日
※月刊「かがくのとも」1994年3月号
価格 ¥900+税


春のごちそう、“つくし”。

つくしを摘むには、どこに行けばいい?
根っこはどうなってる?
摘み取ったときに散る、緑の粉はなに  

つくしの1年間が、美しい絵とともに、分かりやすく紹介されています。

* * * * *

ここのところよく通る道に、クローバーやたんぽぽのロゼットが生い茂った、小さな原っぱのような場所があります。まわりに畑が多いことから、おそらくきっとここも以前は畑だったのだろうなあと、ぼんやり思っていました。

3月になって、少しずつ暖かくなってきたある日のこと。その小さな原っぱに、ふと、長く伸びたものを見つけました。よく見れば、それは“つくし”だったのです。

毎日のように通っていたのに、いつの間に!と驚きました。
私が気づかなかっただけで、つくしは冬の間にも、この絵本で描かれているように、春に向けて少しずつ土の中で準備をしていたのでしょう。
よく見れば、こっちにも、あっちにも。冬の間にはロゼットだったたんぽぽも、すっかり黄色い花を開き、あたりには青くて小さなオオイヌノフグリも咲いていました。
その景色は、ちょうどこの絵本のようでした。

あとになって調べると、つくしは、日当たりの良い土手や、休耕となっている畑などにしばしば見つけることができるのだとか。
私が見つけた場所は、つくしにとって、まさに最適な場所だったようです。

植物によっては、葉を広げたり、花を開いたりしてはじめて人の目に留まる、なんてことも多いけれど、実際は、そうでない間も土の中で生きていて、じっとそのときを待っています。
そういうことが分かると、植物を観察することが、もっと楽しくなりますよね。興味が湧いたり、もっと知りたくなったり。そして、そのための手助けをしてくれる絵本が、たくさんあります。

私も絵本を通して、そんなお手伝いができたらいいなと、思います。