うみのむこうは

『うみのむこうは』

作 五味太郎
出版社 絵本館
発行月 1979年12月
※月刊「こどものとも」2003年8月1日発行
価格 ¥1,200+税


“うみのむこうは ずっと うみ
どこまでいっても うみかしら”

海を眺めながら、考えます。その先に何があるのかと。
広い畑かな、とか。高いビルのある町かな、とか。
いろんな動物がいるかな、おばけなんかもいるかも、なんて。

海の向こうに思いを馳せ、いろんな世界を想像します。

五味太郎さんらしい配色の、その景色はとてもきれいで、
多くを語らず、心に響く絵本です。

一方で、“こわいどうぶつ”や“いじめっこ”など、
負の存在を伝えている部分があり、
そんな現実を示唆するような場面もあります。

それでも、それを踏まえたうえで、
“うみのむこうへ いってみたいね”と、
最後は前向きな気持ちで締めくくられています。

それがなんとも五味太郎さんらしい気がして、
その思いを、ゆっくりと考えます。



※本書は、月刊「かがくのとも」1976年12月号(福音館書店刊)で発行されたものを、絵本館さんより単行本として出版されたものです。