わたしが母さんなら
『わたしが母さんなら』
文 シャーロット・ゾロトウ
絵 ヒラリー・ナイト
訳 みらいなな
絵 ヒラリー・ナイト
訳 みらいなな
出版社 童話屋
発行年月日 1998年4月1日
発行年月日 1998年4月1日
“ねえ、母さん、
もしわたしがお母さんで、わたしのような女の子がいたら……”
女の子は、考えます。
もし自分がお母さんだったら
何でも子どもの喜ぶ決まりに変えよう、って。
例えば、
お母さんのたんすを開けてファッションショーをすることだって、
レストランで食べたいものを好きに頼むことだって、
お風呂を週1回にすることだって、
何でもぜーんぶ、許しちゃおうって。
それを聞いたお母さんは、なんと答えたと思いますか?
* * * * *
次から次へと思い付く、やりたいこと。
普通なら、お母さんには決してだめだと言われてしまうこと。
それが、明るく、生き生きと描かれていて、
その様子はとっても愛らしい。
できないことだと分かっているからこそ、
考えるだけでたのしいのかも。
でもそれはもしかすると、
だめだと言ってくれる人がそばにいるからこそのたのしさなのかも、
とも思いました。
海でいつまでも遊ぶことも、家へ帰るのが遅くなることも、
待っていてくれる人がいなかったら……?
きっと、絵本の “わたし” が毎日元気に過ごせているのは、
一番近くで、「いいこと」と「わるいこと」を教えてくれる人がいるからで。
だからこそ守られていることが、たくさんあるのですよね。
さいごのページの朗らかさが、とても気持ちのいい1冊です。
※同シリーズには、『ぼくが父さんなら』も。