アンディとらいおん
『アンディとらいおん』
ジェームズ・ドーハーティ 文・絵
村岡花子 訳
出版社 福音館書店
発行年月 1961年8月1日
定価 本体1,300円+税
定価 本体1,300円+税
図書館でライオンの本を借りた男の子、アンディ。
家に帰ると夢中でその本を読み、
晩ご飯のあいだも、ご飯のあとも、ずっとその本を読み続けました。
それだけではありません。
寝るときにも、おじいさんからライオン狩りのおはなしを聞き、
もちろん夢でもライオンを見て、
だから次の日も、アンディの頭の中はライオンのことでいっぱいでした。
そしてなんと、学校へ行く途中、
アンディは本物のライオンに出会ってしまいます。
ところがライオンの足には、太いとげが刺さっていて……。
ページ数が80ページ(例えば『ぐりとぐら』なら28ページ)とちょっぴり長めですが、1ページの文章はとっても短いので、厚みに臆せず、ぜひ気軽に手に取っていただけたらうれしいです。
ちなみに、ドーハーティの絵の作品では、2017年に大日本図書さんから『おしろのばん人とガレスピー』(ベンジャミン・エルキン作、小宮由訳)が、「こころのほんばこ」シリーズとして刊行されています。
こちらも軽快なおはなしで、ドーハーティの絵が味わい深く、物語にぴったり。読みものとはいえ、読みやすい文章量ですので、合わせておすすめしたい作品です。
家に帰ると夢中でその本を読み、
晩ご飯のあいだも、ご飯のあとも、ずっとその本を読み続けました。
それだけではありません。
寝るときにも、おじいさんからライオン狩りのおはなしを聞き、
もちろん夢でもライオンを見て、
だから次の日も、アンディの頭の中はライオンのことでいっぱいでした。
そしてなんと、学校へ行く途中、
アンディは本物のライオンに出会ってしまいます。
ところがライオンの足には、太いとげが刺さっていて……。
* * * * *
作者のジェームズ・ドーハーティは、1889年にアメリカのオハイオ州で生まれました。
本書の著者紹介によると、子どもの頃から、開拓者の物語や祖父のしてくれるダニエル・ブーン(アメリカの開拓者であり、冒険家)と鹿皮服の男達のホラ話を聞いて、大きくなったそう。
絵本の中にも、アンディがおじいさんのおはなしを聞く場面が登場し、自身の経験をもとに描かれているのかもしれません。
また、翻訳を手掛けられているのは、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』や『ごきげんならいおん』の訳者でもある、村岡花子さん。いずれも、初孫の成長を願いながら翻訳にかかられたそう。そして、翻訳を依頼されたのは、かねてより村岡さんと交流のあった石井桃子さんだと言います。
また、この『アンディとらいおん』や『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』などは、刊行当時は、石井桃子さんや村岡花子さんらによる「家庭文庫研究会」編として出版されていたもの。
家庭文庫研究会の活動や出版の経緯などは、石井桃子さんの『子どもの図書館』(岩波書店刊)に書かれています。
さて、この『アンディとらいおん』、原書の初版は1938年と、80年も昔の絵本ですが、ちっとも古びていなくって、生き生きとしていて、躍動感たっぷり。ライオンの表情がすごく豊かなのも、見ていて愉快で、たのしくて。
ページ数が80ページ(例えば『ぐりとぐら』なら28ページ)とちょっぴり長めですが、1ページの文章はとっても短いので、厚みに臆せず、ぜひ気軽に手に取っていただけたらうれしいです。
ちなみに、ドーハーティの絵の作品では、2017年に大日本図書さんから『おしろのばん人とガレスピー』(ベンジャミン・エルキン作、小宮由訳)が、「こころのほんばこ」シリーズとして刊行されています。
こちらも軽快なおはなしで、ドーハーティの絵が味わい深く、物語にぴったり。読みものとはいえ、読みやすい文章量ですので、合わせておすすめしたい作品です。