あかいかさがおちていた

『あかいかさがおちていた』

筒井敬介 作
堀内誠一 絵
出版社 童心社
発行年月日 2011年9月30日
本体価格 1,400円+税



ジャングルに落ちていた、赤い傘。

それを見つけたさるくんたちは、傘なんて必要ないと、放り投げてしまいます。

その傘が落ちたところが、へびくんのところ。
へびくんは、赤い傘がとっても気に入りますが、うまく使いこなせなくて、なんとしっぽの骨を折ってしまいます。

それからその傘は、看護師のかんがるーさんへ、その次はくじらさんへと、動物たちの手から手へ渡っていきました。

そうして、赤い傘が、最後にたどりついたのは……?



* * * * * 

本書は、1965年にあかね書房さんから刊行されたもので、2011年に童心社さんから復刊されました。
もともと、あかね書房さんから刊行された際は、「創作どうわ絵本」シリーズの6作目として刊行されたもの。同シリーズは10作ほどからなり、『おむくんとむくん』(寺村輝夫/作 多田ヒロシ/絵)や『けんはへっちゃら』(谷川俊太郎/作 和田誠/絵)などがありますが、この『あかいかさがおちていた』以外は、いずれも現在は品切れのようです。(残念だなあ……!)

さて、この『あかいかさがおちていた』には、たくさんの動物が登場します。
飽きっぽいさるくんたち、しっぽでちょんちょん跳ねる様子が愛らしいへびくん、すましていてちょっとわがままな看護師のかんがるーさん……。
みんな、それぞれに個性があって、おもしろいです。

そうそうそれから、後半のシーンでさりげなく登場しているぞうの親子(?)が、絵本『ぐるんぱのようちえん』のぐるんぱにそっくりだったりして。

赤い傘が、最後に誰のもとへ行って、どんな風に使われたのか。
その結末も、どうぞお見逃しなく。