うっかりまじょとちちんぷい

『うっかりまじょとちちんぷい』

ヌリット・カーリン 作
小杉佐恵子 訳
出版社 冨山房
発行年月日 1988年3月23日
定価 本体1,143円+税
※原題『THE TOOTH WITCH』(1985年)


昔々、遠い国のおはなし。
この国の子どもたちは、歯が生え変わるとき、抜けた歯を枕の下に入れて寝ていました。そうすれば、いいことがあるかもしれないと言われていたからです。

その歯を毎晩集めて回るのが、魔女の仕事でした。
ところがある晩のこと、箒に乗っていた魔女は、歯の入った袋をうっかり落としてしまいます。

そんなうっかり魔女の手伝いをすることになったのが、小さな魔女の“ちちんぷい”。

けれど、集めた歯をどうするのか知って、ちちんぷいは考えます。
こんなにかわいい歯、もっといい方法はないかしら?と。

* * * * *

抜けた乳歯を枕の下に入れておくと、眠っている間に妖精がやってきて、コインやプレゼントに交換してくれる  。そんな話を聞いたことはありませんか?

アメリカやヨーロッパで信じられている、トゥースフェアリー(歯の妖精)についての言い伝えです。

この『うっかりまじょとちちんぷい』の原題は『THE TOOTH WITCH』、つまり、歯の魔女です。
この絵本を読むと、「あれ?じゃあ、歯の妖精(天使)は、もともと魔女だったの!?」なんて、そんな想像が膨らむ、ゆかいなおはなしです。

日本でも、上の乳歯は床下へ、下の乳歯は屋根の上に投げれば、大人の歯がちゃんと生えてくる、という言い伝えがありますよね。

乳歯が抜けて永久歯が生え変わる、というのは、国が違えど人間なら誰しもが経験すること。そのため、世界各国でいろいろな言い伝えがあるようです。

余談ですが、作者のヌリット・カーリンさんは、ニューヨーカー誌で活躍した、女性漫画家の先駆者だそう。センスのあるユーモアは、漫画で培われたものなのかもしれません。

※こんな絵本もおすすめ
『はがぬけたらどうするの? せかいのこどもたちのはなし』セルビー・ビーラー/作 ブライアン・カラス/絵 こだまともこ/訳 フレーベル館
『トゥース・フェアリー 妖精さん、わたしの歯をどうするの?』ピーター・コリントン/作 BL出版