あおい目のこねこ

『あおい目のこねこ(世界傑作童話シリーズ)』
作 エゴン・マチーセン
訳 瀬田貞二
出版社 福音館書店
発行日 1965年4月1日
定価 ¥1,200+税


い目のこねこが、ねずみの国を見つけに出かけます。前向きなこねこは、行く先で問題が起こっても「なーに、なんでもないさ」と進んでいきます。あたりが暗くなったって構わずに。そんなこねこがどんどん歩いて行くと、黄色い目をした5匹のこねことで会いました――。

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デンマークの代表的な絵本作家として知られるエゴン・マチーセン。本書は1949年にデンマークで発表されて以来、日本でも長く愛されている作品です。本文中に使われている色は黒(またはグレー)と青と黄色の3色だけ。シンプルな色使いが、いっそう物語を引き立てるよう。このブルーの見返しもすごくいい!


本の厚みから長い読みものと間違えられやすい作品ですが、左ページに文章(だいたい4~5行くらい)、右ページに絵という構成で、このサイズにしては比較的短めのお話です。とはいえこれは冒険の物語。声に出したくなるようなテンポのよい語り口調とともにお話は展開し、臨場感にあふれています。 中でも私が大好きなのは、青い目のこねこが「おもしろいことをしてみよう。なんにもなくても、げんきでいなくちゃいけないもの」と思い立つシーン(そうして実行に移すところも!)。ちょっとやそっとじゃへこたれなくて、いつもポジティブ。そんな青い目のこねこから、元気をもらえるような1冊です。