ねーねーのしっぽ

『ねーねーのしっぽ』

作 はやしますみ
出版社 イースト・プレス
発行日 2013年7月31日
価格 ¥1,300+税


ねーねーは、大きなおたまじゃくしの女の子。けれどなぜだか、妹たちがすっかり立派なかえるに成長しても、ねーねーはまだしっぽが生えたままでした。そこでとうとう、しっぽを切ることになりましたが、どうしてもしっぽは切りたくなくて、真夜中にみどりがいけを出て行きました。
「おたまじゃくし、いないかなあ。」
池の外の川をのぼり、自分のようなおたまじゃくしを探しながら、ねーねーはいろんな生きものに出会います。そうして最後に出会ったのは・・・?

* * * * * * *

まわりと違っていて、いじわるをされて・・・というお話はよくありますが、このねーねーのお父さんとお母さんは、他の子どもたちと姿の違うねーねーを、分け隔てなく大切に育てます。だからこそねーねーは、勇気を出して自分の居場所を探しに行けたのかもしれませんね。

はやしますみさんの描くねーねーは、愛嬌があってとってもかわいい。そして、最後のページの嬉しそうな顔といったら!こちらまでほっこりとあたたかくなるような素敵なお話です。

もし、自分のルーツに自信がなかったり、そのことによって不安に思うことがある子どもがいたら、ぜひこのねーねーと友だちになってほしい。
今のあなたがいいんだよ、そのままでいいんだよ、とねーねーは教えてくれます。