うさこちゃんとうみ
『うさこちゃんとうみ』
作 ディック・ブルーナ
訳 いしいももこ
出版社 福音館書店
発行日 1964年6月1日(2010年4月1日に改版されています。)
※原書『nijntje aan zee』1963年発行(オランダ)
価格 ¥700+税
お父さんがひく車(手押し車のようなもの)に乗って、うさこちゃんは海へ向かいました。
海岸に着いたら、大きな砂山を作りました。それから、さまざまな色や形をした貝を、波打ち際で拾いました。
お父さんと海に入ると、ふたりはずぶぬれになって遊びました。
* * * * * * *
お父さんが、海に行きたい人だあれ?と聞くと、「あたし あたしが いくわ!」とはしゃいだり、海からあがったあともう帰らなくちゃというお父さんに、「まだ くたびれない。もっと もっと いましょうよ!」とだだをこねたり・・・。シリーズの中でも、特にうさこちゃんの子どもらしい様子が垣間見える1冊ではないでしょうか。お父さんと2人きりで甘えているのかな?結局くたびれて、お家へ帰る途中に眠くなってしまうところなんて、本当にかわいいなぁと思います。
ところで、石井桃子さんの訳の中で“ぱしゃ ぱしゃ みずを はねかして”という文章があるのですが、あまり聞かないなと思って調べると「撥ねかす」という言葉があるんですね。「水や泥などを飛ばし散らす」という意味だそう。シンプルで良い日本語だなぁと、ひとつまた勉強になりました。