ころころころ

『ころころころ』

作 元永定正
出版社 福音館書店
発行日 1984年11月22日
※月刊「こどものとも年少版」1982年5月1日発行
価格 ¥800+税


赤色、茶色、橙色、水色・・・さまざまな色をした丸い色玉が、ころころと転がっていきます。階段道を登ったり、下ったり。でこぼこみちを跳ねたり、嵐の道では吹き飛ばされたりしながら。
色玉たちは、形も色もさまざまな道を、「ころ ころ ころ」と進んでいきます。

「でこぼこみち ころ ころ ころ」、「さかみち ころころ ころ ころ ころ」と、シンプルな繰り返しですが、「ころ ころ ころ」をどんな風に口ずさもうか、わくわくします。そのまま読んでも良いし、状況に合わせて読んでも良いし、体を使って読んでも良いし。
小さな色玉が、まるで小さな子どもたちのよう。色玉が愛らしく並んだ表紙も、とても良いなぁと思います。

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昨日、元永定正さんと中辻悦子さんご夫妻による、「もーやんとえっちゃんの絵本原画展 えほんはつづく」へ行ってきました。
元永さんといえば、『もこ もこもこ』(谷川俊太郎文)や『がちゃがちゃどんどん』など、中辻悦子さんといえば『よるのようちえん』(谷川俊太郎文)や『まるまる』などが馴染み深いでしょうか。
そして、『もけらもけら』(山下洋輔文)や『あみだだだ』(谷川俊太郎文)のように、元永さんが絵を手掛け、中辻さんがその構成をされている絵本もあります。

展示では、元永さんの永眠後に中辻さんが遺稿を構成された『どん』(坪内稔典文)の原画もありました。(月刊「こどものとも年中向き」2012年12月号発行)
展示を見ながら、お二人はどんなご夫婦だったのだろうと、どんな会話をされて、どんな風に絵本をお作りになったのかと、思いを巡らせてしまいました。
原画は絵本で見るよりもその質感が感じられて、お二人の、あたたかさやおおらかさのようなものを垣間見たようでとても良かったです。

原画展は2014年9月7日(日)まで。場所は神戸市のBBプラザ美術館です。良ければ、ぜひ。(今日ご紹介した『ころころころ』の原画はありません。)