こねこのハリー

『こねこのハリー』

作 メアリー・チャルマーズ
訳 おびかゆうこ
出版社 福音館書店
発行日 2012年10月15日
価格 ¥700+税
※原書『THROW A KISS,HARRY』1958年(アメリカ)



こねこのハリーが、
お母さんと散歩をしていたときのこと。

お母さんが途中に、他のねこと立ち話をはじめたので、
ハリーはひとりで近くをうろうろしていました。

ところがそのうちに、
高い屋根の上から、降りられなくなってしまったハリー。

そんなハリーを助けてくれたのは、消防士さんでした。
助けてもらったことが嬉しくて、
いつまでも手を振り続けていたハリーでしたが  

* * * * * * *

「こねこのハリー」シリーズは、全部で4冊。
どれも縦15.5㎝×横11㎝の、小さな絵本です。

本書は、その4冊のなかの、最初のおはなし。
原題の「throw a kiss」は、つまり「投げキッス」。
“こねこのハリー”では、どんなおはなしか分かりませんが、
“THROW A KISS,HARRY”なんて、とっても気になるタイトルです。

さて、どうして「投げキッス」なのかというと、
ハリーのお母さんが、消防士さんとの別れを惜しむハリーに、
「なげキッスをしたら?」と言ったことがきっかけです。

お母さんいわく「いつもは する」らしいハリーですが、
思うところがあるのか、なかなか投げキッスをしないものだから、
ハリーのお母さんは、諦めて帰ろうとします。

ところが、ハリーは・・・?

思わず胸がきゅんとなる結末です。

やわらかい水色の表紙も、とってもきれい。
ストーリーも、その佇まいも、愛おしくなるような1冊です。