もりのおとぶくろ

『もりのおとぶくろ』

作 わたりむつこ
絵 でくねいく
出版社 のら書店
発行月 2010年4月
価格 ¥1,500+税


4匹のこうさぎは、
うさぎ町に住む、なかよしきょうだい。

あるあたたかな春の日に、
一番したのこうさぎが、誕生日を迎えました。

ところがその日、
来てくれる予定だったおばあちゃんが、
怪我をして来られなくなってしまいました。

4匹はお見舞いに行きましたが、
おばあちゃんはすっかり元気がありません。

“このへやで もりのおとが きけたら”

おばあちゃんのその言葉を聞いて、
4匹のこうさぎは、森へと向かいました  

* * * * * * *

『いちごばたけのちいさなおばあさん』(中谷千代子絵、福音館書店刊)の作者、わたりむつこさんの絵本です。彼女のファンタジーは本当にすてきだなあと、この絵本を読んだとき、改めて思いました。夢がたくさん詰まっていて、わくわくして、ちょっぴりどきどきして。

出久根育さんの、繊細でやわらかなタッチの絵も、美しくてほれぼれします。出久根さんが暮らしていらっしゃるチェコには、大きな自然があるそうですが、こうさぎたちが向かった森からも、豊かな自然を感じ取ることができます。
草花のにおいが、胸いっぱいに広がるようです。

見返しに描かれたお花の絵だとか、タイトルページのうさぎの家(屋根も外灯もポストも、うさぎの形なんですよ)だとか、森を駆けまわる小さな動物だとか、どこを見ても、たのしい発見があるのもうれしいです。

続編に、『こうさぎと4ほんのマフラー』という絵本があります。良ければ合わせてお楽しみください。