びっくりたまご

『びっくりたまご 
3びきの かえると へんな にわとりの はなし』

作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1994年
価格 ¥1,456+税


石ころ島に、
マリリンと、オーガストと、ジェシカという
3匹のかえるが住んでいました。

ある日のこと、
ジェシカは、白くて丸い石ころを見つけると、
マリリンとオーガストのもとに持って帰ってきました。

それを見た、もの知りのマリリンが言いました。
「たまごよ、にわとりの たまごだわ」

そうして数日後。

卵から孵ったのは、
なんと四本足で歩く、長い生きものでした  

* * * * * * *

昨日ご紹介した『ぼくのだ!わたしのよ!』と同じように3匹のかえるが登場しますが、性格も、住んでいる場所も、全く別の3匹のおはなしです。

表紙をご覧の通り、卵から産まれた長い生きものというのは、まさに“わに”です。ところが3匹ときたら、それを“にわとり”だと疑わず、仲良くいっしょに暮らしました。中でもジェシカと“にわとり”は、いつもいっしょでした。

このかえるたちの、おおらかさ!何度読んでもおかしくて、やっぱり笑ってしまいます。

「知らない」って、たのしいなあと思います。たとえば、お店に来てくれる小さな子どもたちを見ていても、ときどきこういうことってあるんですよね。

知らないが故の、かんちがい。それを、あたまからそれを否定するのは、ちょっともったいないなと思う訳です。そこから膨らむ子どもたちのおはなしや、広がる想像は、とても自由でたのしいと、子どもたちを見ていると、本当にそう思います。

最後のオチも、こりゃまたなんともおかしくて・・・。ユーモアたっぷりの、ゆかいなおはなしです。