2015/11/19

サンタクロースのふくろのなか

『サンタクロースのふくろのなか』

作 安野光雅
出版社 童話屋
発行年月日 2006年10月24日
価格 ¥1,600+税


“サンタさんが いねむりしています。
こっそり、ふくろのなかを のぞいている子がいます。”

本文では、サンタクロースの袋の中が描かれています。
さいしょは、下絵のような薄い線と、ところどころ色付けされた絵。それが、ページをめくるごとに、少しずつはっきりと、鮮やかに描かれていきます。絵は次々に描きこまれ、ぎっしりと描きこまれた絵からは、いろいろなストーリーを読み取ることができます。

サンタクロースの袋の中、と言っても、おもちゃやプレゼントになるようなものだけでなく、たくさんの子どもや、大人や、動物たち、はたまた建物や、乗り物までが描かれています。“絵は、自由ですから、なにを描いても、いいのです。”という安野さんの言葉通り、本当にいろいろなものが描かれています。サンタクロースの袋の中には、たくさんの世界が詰まっている、ということなのかもしれませんね。

この本をはじめて読んだとき、最後にぽつりと呟かれる願いの意味が、よく読み取れませんでした。けれど、その願いが書かれたページをじっと見てみると、たしかに見つけました。前のページには描かれていないけれど、たしかにそこに描かれている、小さくてかわいい、赤ちゃんの絵が。これは、安野さんの願いなのでしょうか。それとも・・・。
クリスマスに生まれた、小さな命を思います。

巻末には、ちょっとしたユーモアも。最初の扉(タイトルページ)とつなげると、よく分かります。また、パラパラとページをめくると、進むごとに変わっていく絵の様子を見ることができます。

思うまま、好きに描いているように見えて、きちんと整列されたその絵は、ページを横に向けたり、逆さに向けたりしても、また新しい発見があるかもしれません。