チムとルーシーとかいぞく
『チムとルーシーとかいぞく』
作 エドワード・アーディゾー二
訳 なかがわちひろ
装丁 辻村益朗
出版社 福音館書店
発行年月日 2001年6月20日
価格 ¥1,400+税
“ともだちが いたら いいな”
お屋敷に住む7歳の女の子、ルーシーは、
とても幸せな暮らしをしていましたが、
ときどきそんな風に思うことがありました。
ある日のこと、
ルーシーは、船乗りの少年チムと出会います。
お屋敷のグライムズさんは、
ルーシーからチムのはなしを聞くと、
快く船を用意し、船出の準備をはじめてくれました。
広い海へと、出発です。
ところがその航海の途中、
思いもしなかった問題が起こって・・・。
* * * * * * *
『チムとゆうかんなせんちょうさん』のつづきのおはなし、全11巻のうち、このたび5巻が復刊されました。
ハラハラしたり、ドキドキしたり、ときにはちょっぴりほろりとすることもあるけれど、たのしくて、わくわくして、まるで彼らといっしょに航海をしているかのような、臨場感あふれる冒険のものがたりです。
前作『チムとゆうかんなせんちょうさん』で、船を失った船長さんと、その仲間たち。本作では、チムはそんな仲間たちに声をかけ、いっしょに船へ乗り込みました。もちろん、ルーシーと、グライムズさんと、それから家政婦のスモウリーさんもいっしょです。
このスモウリーさんが、実はキーポイントなのだけれど。
それにしても、迷わず船を買ってくれた、グライムズさん。
最初に読んだときは、その展開があまりにもあっさりとしていて、すこし違和感がありました。お金持ちだからそんなものなのかなあ、と思ったり。
でも、よく絵を見ると、グライムズさんの部屋には、船の絵(写真?)が飾ってあるんですよね。きっと、海がすごく好きか、船がすごく好きか、そのどっちもか、とにかくグライムズさんには、チムに共感できる気持ちがあったんじゃないかな。
そう思うと、心にすとんと落ちて、なんだかうれしくなりました。