チムひとりぼっち

『チムひとりぼっち』

作 エドワード・アーディゾー二
訳 なかがわちひろ
装丁 辻村益朗
出版社 福音館書店
発行年月日 2001年7月10日
価格 ¥1,400+税


チムが旅から帰ってくると、家には誰もいません。

それどころか、
壁には「あきや かします」の文字が・・・。

そこでチムは、
お父さんとお母さんを探すため、
ある船へと乗り込みました  

* * * * * * *

チムシリーズ、6作目のおはなしです。

新しい港に着くたび、お父さんとお母さんを訪ねて回る、チム。けれど、そう簡単には見つかりません。

そして、またもや事件が起こってしまいます。

タイトルの通り、ひとりぼっちのチム。これまでのおはなしでは、両親と離れて海に出ていても、チムはいつも勇敢で、たくましい男の子でした。けれどそれは、家で待っていてくれる両親がいる、ということが、きっと大きな支えになっていたんじゃないかな。

けれど、今回は違います。いつもの自信や、明るさはどこへやら、チムの心細い気持ちや、その寂しさが、ひしひしと伝わってきます。

やっぱり、家族や、自分のことを気にかけてくれる人の存在は、大きいです。とっても。

もちろん最後は、ちゃんとハッピーエンドですが、その終わり方も、すごくチムらしいです。近くにいなくても、心から寄り添い、心配してくれる人たちのことを、もちろん忘れてはいません。

そうそう、それから、この旅でチムには、新しい友だちができたようですよ。