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もりのこびとたち

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『もりのこびとたち』 作 エルサ・べスコフ 訳 おおつかゆうぞう 出版社 福音館書店 発行日 1981年5月20日 ※原書『TOMTEBOBARNEN』1910年発行(スウェーデン) 価格 ¥1,300+税 深い深い森の奥、松の木の根元に、小人のうちがありました。 お父さんにお母さん、それから子どもが4人の、6人で暮らしていました。 夏の間、子どもたちは、こりすたちとかくれんぼをしたり、かえるたちと飛びっこをしたりして、楽しく遊び暮らします。 けれど秋になると、冬支度のために大忙し。そうして、雪がしんしん降り積もる、寒い冬がやってきます。 それでも、長い冬はいつか終わります。あたたかな春風とともに、雪は解け、ようやく春がやってきます――。 とある小人の家族の、森での1年を綴ったおはなしです。 * * * * * * * “しろいてんのある あかいぼうし”をかぶった、子どもたち。 きのことそっくりなその赤い帽子は、もし人間や怖いけものが来ても、しゃがんでいれば大丈夫。 そんな帽子をかぶった子どもたちは、森の中で体をたっぷり動かして、のびのびと過ごします。 ちなみに、この赤いきのこ。先日ご紹介した『 ナミチカのきのこがり 』にも出てきました。 “ベニテングタケ”と言って、毒きのこだそうです。だから、この帽子を被ってきのこのふりをしていたら、誰かに見つかっても大丈夫なんですね。 なるほど、なるほど。 さて、小人たちの森での暮らし、厳しい冬が過ぎたあとには、嬉しいことが起こりました。 それはね・・・(ごにょごにょ) 続きはぜひお手に取ってご覧くださいね。

どんぐりぼうやのぼうけん

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『どんぐりぼうやのぼうけん』 作 エルサ・べスコフ 訳 石井登志子 出版社 童話館出版 発行日  1997 年 10 月 13 日 価格 ¥ 1,400 +税 ※原書『 OCKE,NUTTA OCH PILLERILL 』 1939 年発行(スウェーデン) どんぐりぼうやのオッケとピレリルは、 高いカシワの木のてっぺんで、お父さんとお母さんと一緒に暮らしていました。 ところが秋の日のこと、2人は嵐にさらわれて、 小人たちが洗濯をしていた“小人のひげ”の上に落ちてしまいました。 怒った小人たち。 そこで2人は、洗濯物を汚してしまった代わりに、 洗濯物を運ぶおつかいをすることになりました。 けれど、何も知らないオッケとピレリルのお母さん。 息子たちはいったいどこへ行ったのかと、大きな声で2人の名前を呼びました。 そこへたまたま遊びに来た“はしばみ”の親子も、それを聞いて心配になってきました。 そこで、りすのスバンス氏は、 はしばみの子と一緒に、2人を探しに行くことにしました。 * * * * * * * 作者は、『ペレのあたらしいふく』や『もりのこびとたち』(どちらも福音館書店刊)のエルサ・べスコフさん。 その絵はとても精密で、淡い色使いは本当に美しい。彼女の描く豊かな自然からは、草のにおいや土の感触が感じ取れるような気がします。 お話も、ちょっぴりスリルがあって、けれど最後はほっとして、その流れはとても心地が良い。 満足感に包まれながらページを閉じる瞬間は、やっぱり幸せです。 そうそうそれに、個人的には、登場人物たちの服装がとても好み! どんぐりさんとぼうやは、ベレー帽みたいにどんぐりの帽子を被っているし、はしばみさんと子どもたちも、やっぱり帽子を被っています。 ちなみに「はしばみ」というのは、ヘーゼルナッツができる木のことですが、そのはしばみさん親子が被っているのは、実の付くガク(?)のところ。チューリップハットみたいで、とってもかわいいです。 あとあと・・・ 言い始めたらきりがないので、今日はひとまずこの辺で。

ペレのあたらしいふく

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『ペレのあたらしいふく』 作 エルサ・べスコフ 訳 おのでらゆりこ 出版社 福音館書店 発行日 1976年2月3日 ※原書『PELLES NYA KLÄDER』1912年発行(スウェーデン) 価格 ¥1,200+税 ペレは、1匹の子羊を飼っていました。その子羊が育つにつれ、ペレの上着は短くなるばかり。 そこである日、ペレは子羊の毛を刈ると、毛をすいてもらうためにおばあちゃんのところへ行きました。おばあちゃんが作業をしている間、ペレは代わりに、おばあちゃんの畑で草取りをしました。 次にペレが向かったのは、もう1人のおばあちゃんのところ。糸を紡いでもらう代わりに、ペレは牛の番を引き受けました。 それからペレは、ペンキ屋のおじさんのところへ行きました。糸を染める染粉がほしかったのです。けれど、ペンキ屋に染粉はないと言われて・・・。 * * * * * * * ペレは、小さくなった自分の服の代わりに新しい服を作ろうと、たくさんの人の手を借りて、少しずつ新しい服を仕上げていきます。その代わりに、ペレは体を使って働きます。 服だけに限らず、ひとつの“もの”が出来上がるまでにはいろいろな工程があって、そこにはたくさんの人が関わっています。スウェーデンで生まれたこの絵本が、日本で『ペレのあたらしいふく』として出版され、読者の手に届くまでにも、たくさんの人が関わっているように。 ものが出来上がるまでの過程が見えなくなっている今だからこそ、とても大切なことが描かれているような気がします。べスコフさんの描く絵は、花1本、シャツ1枚にしてもとても繊細で、あたたかみがあって、何度見ても惚れ惚れしてしまいます。 100年以上も前に作られた絵本ですが、子どもたちにも、そのまた子どもたちにも、そのまたまた子どもたちにも、ずっと読み続けられたらいいなと思う絵本です。 ========== 開店してから、営業日は毎日欠かさず更新してきた「今日の1冊」も、この『ペレのあたらしいふく』で500冊になりました。 2012年の12月3日に店を始めてから、1年と8か月余り。このブログを読んでくださっている方が、「昨日ご紹介されていた本はありますか?」とご来店くださったり、「子どもの頃に読んだ記憶が蘇りました」とおっしゃってくださ...