くんちゃんのはたけしごと

くんちゃんのはたけしごと』
作 ドロシー・マリノ
訳 まさきるりこ
出版社 ペンギン社
価格 ¥950+税
あるお天気のいい朝、こぐまのくんちゃんはお父さんの畑仕事をお手伝いをすることにしました。ところが困ったくんちゃん。種を植えたばかりの土を熊手でひっかいてしまうし、抜かなきゃならない雑草に水をあげてしまうし、雑草の代わりに花を抜いてしまうし・・・。
お父さんはひとつひとつ、くんちゃんに教えます。「こうやって。」と見本を見せながら。そこでくんちゃんは畑の端に座り考えました。お父さんのすることを、しばらくじっと見つめながら・・・。
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ペンギン社さんから6作、岩波書店さんから1作、計7作出ている「こぐまのくんちゃん」シリーズの1冊です。元気いっぱいで、子どもらしいくんちゃん。子どもを見守る大人たちの愛情もたっぷりと感じられる、私も大好きなシリーズです。

本作品でもまた、くんちゃんは元気いっぱい。何度失敗しても、次々と新しいことに挑戦します。それがくんちゃんの良いところですが、もし私がお父さんだったら「あっちで遊んでおいで」と言ってしまいそうなくらい、次から次へとお父さんに手をやかせるくんちゃん。
けれど、ここでそうしないのがくんちゃんシリーズの素敵なところ!お父さんは、なぜそうしたらいけないのかってことも、きちんと教えてくれます。そして、もう一度やってみよう!とするくんちゃんを、だまってそばで見守ってくれるお父さん。


くんちゃんはこんな風に、大人たちに見守られながら少しずつ成長していきます。表紙を開くと、その様子がよく分かりますね。