『あさがお』 作 荒井真紀 出版社 金の星社 発行月 2011年6月 価格 ¥1,200+税 あさがおの小さないのちはゆっくりと目を覚ますと、根を伸ばし、双葉をひらけると、すくすく育っていきます。花のつぼみはどんな風にできるんだろう。花がしぼんだあとは、どんな風に新しいいのちが生まれるの? 繊細で美しい絵とともに、あさがおの一生に迫ります。 * * * * * * * 私が住んでいる家のあたりでは、夏休みに入ると、青いプラスチックの植木鉢がたくさんの家の前に並びます。小学校1年生の子どもたちが、学校から持って帰ってくるあさがおの植木鉢です。そんな光景を見ると「夏が来たなぁ」と感じます。そして、そんな家から出てくるこんがり日焼けした子どもたちを見ると、自分にも“夏休み”があった頃を思い出して、なんだか懐かしい気持ちになります。 自分が育てたあさがおの種を、大事に取っておく子どもたちはどのくらいいるんだろう。さらにまた次の年にその種をまく子どもたちは、ほんの一握りなのかもしれません。私も種を取っておいた覚えはあるけれど、翌年にまた育てた思い出はないなぁ・・・。でももしあの頃の私がこの本と出会っていたら、違っていたのかも。 あさがおが花を咲かせた感動を、小さな種を付けた嬉しい気持ちを、読み返すたび思い出させてくれる絵本です。 ※関連書籍『 ひまわり 』