『ぞうくんのおおかぜさんぽ』 作 なかのひろたか 出版社 福音館書店 発行日 2010年4月15日 ※月刊「こどものとも」2006年4月1日発行 価格 ¥800+税 今日は、おおかぜ。 けれどごきげんなぞうくんは、「どれ どれ、さんぽに でかけよう」と、風が吹く中歩き始めました。 すると、強い風に吹かれて、かばくんが転がってきました。ぞうくんはかばくんを受け止めると、押しながら、いっしょに散歩を続けました。 そこへ、わにくんが転がってきて、今度はかめくんも転がってきて。 それでもぞうくんはみんなを押しながら、散歩を続けようと踏ん張ります。 けれども、あれれ。「おっとっとっと・・・」 * * * * * * * 本書は、『ぞうくんのさんぽ』、『ぞうくんのあめふりさんぽ』に続く1冊です。 全3巻のシリーズですが、どれも「きょうは ○○ ぞうくんは ごきげん。」から始まり、最後は「みんな ごきげん。きょうは ○○。」で終わります。( ○○ のところは、「いいてんき」だったり、「あめふり」だったり、「おおかぜ」だったり。) ところがこのシリーズ、ぞうくんの表情を見ると、“ごきげん”といいながら、楽しくて楽しくて仕方ないという表情ではなくて。 どちらかというと、まったりしているというか、何か考えごとをしているかのような顔をしているのです。でも、そこが良い。 うまく言えませんが、人(ここではゾウだけれど)によっては、こういうごきげんっぷりがあってもいいかなぁなんて思います。 ちなみに、最初の「ぞうくんは ごきげん。」と比べると、最後の「みんな ごきげん。」のところのぞうくんの方が、なんとなくやわらかい表情になっているような気もしたりして。 1人の散歩も良いけれど、誰かといっしょの散歩もまた良いもんだなぁと思う1冊です。