サラダでげんき

『サラダでげんき』

作 角野栄子
絵 長新太
出版社 福音館書店
発行日 2005年3月10日
※月刊「こどものとも」1981年5月1日発行
価格 ¥800


りっちゃんは、病気のお母さんが元気になる、おいしいサラダを作ってあげることにしました。早速野菜を切ってお皿に乗せると、のらねこがのっそり家に入って来て、「かつおぶしを いれると いいですよ。」と教えてくれました。りっちゃんが早速かつおぶしをサラダにかけると、今度は犬が、その次はすずめと次々にやってきて、それぞれアドバイスをしてくれました。おまけに最後は、飛行機に乗ったアフリカゾウまでやってきて・・・?

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作者である角野栄子さんの娘さんがまだ小さいころ、角野さんが風邪で寝ているとサラダを作ってくれたことがあったそう。このお話は、そのエピソードをもとに作られたといいます。
表紙にある通りピンク色をした屋根のおうちが舞台で、その場面はほとんど変わりません。絵本を読んでいる私たちは、サラダを作っているりっちゃんを窓の外から見ている、そんな感じです。そんななか、「キューン ゴー ゴー」という音とともに突然舞台は空に!なんと飛行機に乗ったアフリカゾウがサラダの仕上げにやってきたのです。
「りっちゃんは おかあさんが びょうきなので、なにか いいこと してあげたいと おもいました。」そんな始まりからは想像もつかないくらい、なんともはちゃめちゃで爽快なお話。もちろん、サラダを食べたお母さんはたちまち元気になりましたよ。最後に全員集合する見開きのページが、最高に素敵な1冊です。