コッコさんとあめふり

『コッコさんとあめふり』

作 片山健
出版社 福音館書店
発行日 2003年5月15日
※月刊「こどものとも年少版」1991年9月1日発行
価格 ¥800+税


pieni silta

雨が続き、コッコさんはてるてるぼうずを作りました。「てるてるぼうず てるてるぼうず あした てんきに してください。」けれど次の朝になっても、まだ雨は降っていました。今度はコッコさん、てるてるぼうずの中に手紙を入れてお願いしました。「てるてるぼうず てるてるぼうず あした てんきに してください。」けれどもやっぱり、次の日も雨降りでした。そこでコッコさんは考えます。こんどは、と考えます――。


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雨の日は、雨粒の音が、いつもは聞こえてくるはずの音や声をかき消して、雨が降り続く音だけがいっそう大きく響きます。昼間でも、なんだかひやっとした感じがしたり、薄暗い灰色の空をひとりで眺めていると、なんとなく沈んだ気持ちになったり・・・。けれど片山健さんは、そんな雨の日をやわらかなタッチと澄んだ色彩でみずみずしく描かれています。
良いお天気になるようにと、一生懸命願っていたコッコさん。小さな女の子のその奮闘ぶりは本当に愛らしくて、描かれている細やかな絵にもわくわくさせられます。そんなコッコさんが、あるときふと、てるてるぼうずは疲れているんだと思いました。さて、コッコさんはどうしたでしょう。そこには、心あたたまる展開が待っています。

関連書籍
『おやすみなさいコッコさん』
『だーれもいないだーれもいない』
コッコさんのともだち
『コッコさんのおみせ』
『コッコさんのかかし』
※『コッコさんとあめふり』は、「コッコさん」シリーズの6作目です。こどものとも年少版で発行された『だーれもいないだーれもいない』のみ単行本化しておらず、現在品切れです。