ここよここよ

『ここよここよ』

文 かんざわとしこ
絵 やぶうちまさゆき
出版社 福音館書店
発行日 2003年1月25日
※月刊「こどものとも0.1.2.」1999年4月1日発行
価格 ¥700+税


“どこに いるの?
コアラの あかちゃん”
お母さんの背中に隠れて、ほんの少し顔を覗かせている赤ちゃんが見えます。

“ここよ ここよ
かあさんに おんぶよ”
ページをめくると、いたいた!コアラの赤ちゃんが、お母さんの背中から顔を見せてくれました。

次は、ニワトリの赤ちゃん、ラッコの赤ちゃん、ペンギンの赤ちゃん・・・と続きます。あたたかな親子の様子を、ぬくもりあふれる言葉と絵で描かれた絵本です。

* * * * * * *

「どこにいるの?」の呼びかけに、次のページで「ここよここよ」と答える、繰り返しの絵本です。
薮内正幸さんによって、命が吹き込まれた動物たち。やわらかな毛並みの触り心地や、そのぬくもりが、こちらまで伝わってくるようです。

最初は、表紙のカンガルーのように前(読者の方)を向いている動物たちのお母さんですが、ページをめくって「ここよここよ」の場面になると、どの動物もわが子の方に顔を向けます。その表情はとても穏やかで、お母さんの愛情にあふれています。

本書の裏表紙でも、
「ここよここよ」と言っているようです。

私はこの変化がとても好きで、めくっては戻って、まためくって・・・を繰り返してしまいます。何度も手に取って読み返したくなる1冊です。