ニブルとたいせつなきのみ

『ニブルとたいせつなきのみ』

作 ジーン・ジオン
絵 マーガレット・ブロイ・グレアム
訳 ひがしちから
出版社 ビリケン出版
発行日 2012年10月
価格 ¥1,500+税
原書『The Meanest Squirrel I Ever Met』1990年(アメリカ)



子リスのニブルが木の実で遊んでいると、M・O(エム・オー)というリスのおじさんがやってきました。M・Oはニブルに、いろいろな木の実の遊び方を教えてくれました。

ところがM・Oときたら、最後には木の実を全部持って、その場からいなくなってしまいました。なんとM・O、実はコックさんで(それも店主!)、あろうことか、盗んだ木の実を使って商売をしていたのです。(ニブルは偶然家族でそのレストランに行って、はじめて気が付いたのです!)

そこでニブルは、再びM・Oの働くレストランへ向かいました  

* * * * * * *

原書のタイトルは、『The Meanest Squirrel I Ever Met』。
本文では、ニブルがM・Oに対して「あなたは ぼくが いままで あった リスのなかで、1ばん わるい りすです。」と言うシーンがあります。原書を読んだことがないので分かりませんが、そこがそのままタイトルになっているのかな?
そのタイトルもおもしろいけれど、『ニブルとたいせつなきのみ』というのもすてきですよね。

さて、このM・Oと名乗るおじさん、なんていやなやつ!と思ってしまいます。
子どもと遊ぶふりをして、一家の食糧を盗んでしまうなんて。

けれど、ニブルの言葉に気持ちを入れ替えたのか、レストランで支払ったどんぐり(お金の代わり)をちゃんと返しに来て、クリスマスの日には、木の実のほかに、ニブルへのプレゼントを届けてくれました。
ほっと、一安心の結末です。

そのあと、楽しそうに遊ぶニブルとM・Oを見ると、良い友だちになれたのかも。
「ごめんね」が大事なのは、大人も子どももいっしょです。