サンタクロースにあったよる

『サンタクロースとあったよる』

詩 クレメント・クラーク・ムーア
絵 ホリー・ホビー
訳 二宮由紀子
表紙デザイン タカハシデザイン室
出版社 BL出版
発行日 2014年11月1日
価格 ¥1,600+税

右上のシールははがせます。




クリスマス・イヴ、もう誰もが眠りにつくころ。

パパはある音を聞くと、あわてて飛び起き、窓を開きました。
窓の外は、一面の雪。空には8頭のトナカイに引かれて走る、小さなそりが見えました。
(それを見ていたのは、パパの他に、ぼうやがひとりと、ねこが1ぴき。)

どさっという音と同時に、暖炉から飛び出してきた、サンタクロース。
パパは扉に隠れて、その様子を見ています。よちよち歩きのぼうやも、ソファーのかげから顔をちょっぴり覗かせています。(ちなみにねこは、隠れてなんかいませんでしたよ。)

そうしてサンタクロースは、くつしたにおもちゃを詰めはじめました・・・。

* * * * * * *

とってもとってもきれいな絵です。窓枠に積もる雪だとか、トナカイたちの白い息だとか、とにかく細部まで本当にていねいに描かれています。

ここで、原詩『The Night Before Christmas』についても、本書の作者紹介を参考にしながら、すこしお話しします。

1822年(今から200年ほど前!)のクリスマス・イヴに、クレメント・クラーク・ムーアさんは、“Account of a Visit from St.Nicholas”(聖ニコラス来訪の物語)と題した詩を自身のお子さんに贈りました。翌年になって、この詩は新聞に掲載され、やがて世界中に広まりました。今では“The Night Before Christmas”として、世界中で愛されています。
今では当たり前のように思っている、サンタさんはトナカイが引くそりにのってやってくる、というイメージも、実はこの詩によって作り出されたものだそうです。

また、たくさんの画家が、この詩で絵本を作りました。
日本で翻訳されている絵本の1部をご紹介します。※()の年号は、日本での発行年です。


『クリスマスイブのこと』アニタ・ローベル絵、松井るり子訳、らんか社(1993年)
『クリスマスのまえのばん』ウィリアム・W・デンスロウ絵、渡辺茂男訳、福音館書店(1996年)
『クリスマスのまえのばん』リスベート・ツヴェルガー絵、江國香織訳、BL出版(2006年)
『クリスマスのまえのよる』ニルート・プタピパット絵、きたむらまさお訳、大日本絵画(2007年)
『クリスマスのまえのよる』ロジャー・デュボアザン絵、こみやゆう訳、主婦の友社(2011年)
『しずかなしずかなクリスマス・イヴのひみつ』アンジェラ・バレット絵、石井睦美訳、BL出版(2012年)など

どれも、特別なその時間を、ていねいに描いた絵本です。