わたしのひみつ

『わたしのひみつ』

作 石津ちひろ
絵 きくちちき
装幀 丸尾靖子
出版社 童心社
発行日 2014年11月20日
価格 ¥1,400+税



“わたしね けんばんハーモニカは
じょうずに ひけないの
だけど しってる うたなら
だれよりも げんきな こえで うたえる”(本文より)

女の子の、苦手なことと、得意なこと。

そんな“わたしのひみつ”が、
女の子の視点から、シンプルな言葉で語られます。

* * * * * * *

表紙を開くと、そで(カバーの、折り返してあるところ)に、
“わたしの ひみつ おしえて あげる”と書いてあります。

いいなあ、と思いました。
ここからもう、女の子の声が聞こえてきます。

石津ちひろさんの言葉は、無駄が無くて、まっすぐです。
そこに、きくちちきさんの、力強い、色彩豊かな絵が広がっています。

清々しいくらいで、明るくて、とっても気持ちが良い絵本です。

私は、冒頭でも引用したところが、特にお気に入りです。
知っている歌を、誰よりも元気な声で歌える。それって、とってもすてきですよね。

得意なこと、夢中になれることがあるというのは、大切なこと。
それだけで、強くなれることだってあります。

とは言っても、苦手なことに挑戦するのも、大切なこと。
最後のページで、鍵盤ハーモニカを弾いている女の子の顔を見ると、
まだまだたくさんの“わたしのひみつ”を秘めているのだろうなあと思います。