もりのひなまつり

『もりのひなまつり』

作 こいでやすこ
出版社 福音館書店
発行年月日 2000年2月10 日
※月刊「こどものとも」1992年3月1日発行
価格 ¥800+税


ねずみばあちゃんのもとに、
森の「のねずみ こどもかい」から手紙が届きました。

森のひなまつりをしたいから、
おひなさまを森へ連れてきてほしい、とのこと。

そこで、
ねずみばあちゃんとおひなさまは森へ行き、
集まってきた動物たちと、歌ったり、おどったり、
みんなでひなまつりを楽しみました。

ところがその帰り道、
雪がちらちら降ってきて・・・。

* * * * * * *

私には、3つ年の離れた弟がいるのですが、小さいころ、母と私がひな人形を出すと、待ってましたと言わんばかりに、弟はお内裏さまの刀を取って、いつもしっちゃかめっちゃかに遊んでいました。

その様子を見て、幼い私は、お内裏さまが怒ってやしないかと、はらはらしていました。なんとなく、お内裏さまの顔が、むっとしているように見えたりして。
その横で、すました顔をしているお雛さま。「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とでも言うように、やさしく笑っていました。

さて、そんなひな人形たちが、もしもこうして飾られる前に、こっそりねずみのおばあちゃんと、“森のひなまつり”に行っていたんだとしたら  そう考えるだけで、わくわくしてしまいます。

子どもたちにも、そんな世界を楽しんでもらえたらいいなと思います。