おへそのあな

『おへそのあな』

作 長谷川義史
出版社 BL出版
発行年月日 2006年9月20日
価格 ¥1,300+税


“ちいさな ちいさな あかちゃん。
いまは まだ
おかあさんの おなかの なか、
だけど……。

おかあさんの
おへその あなから
みえる
みえる。”(本文冒頭より)

* * * * * * *

赤ちゃんのためにって、お兄ちゃんがロボットを作っていたり、お姉ちゃんが花を育てていたり。赤ちゃんは、そんなみんなのことを、おへそのあなからを見ています。

見ているだけじゃ、ありません。においをかいだり、音を聞いたり。絵本の中の赤ちゃんは、おへそのあなから色々なことを感じ取っています。
お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、みーんな赤ちゃんが生まれてくるのを、たのしみに待っています。

当店では、出産祝いにもそうですが、これからお兄ちゃんやお姉ちゃんになる子どもたちへ選ばれることも多い絵本です。

ただ、おもしろいことがあって。
まだ小さい子どもたちは、たいていこの絵本を逆さに持ちます。というのも、赤ちゃんの目線で(つまり、おへそのあなから見える景色が)描かれているので、絵が逆さになっているんですよね。だから、字ではなくて絵を読む子どもたちは、ついつい本を逆さにしてしまう。

もちろん、反対にして見ても、ぜーんぜんいいんですよ。折を見て、「実はね・・・」と、赤ちゃんからはこう見えていること、みんなもこんな風に見えていたことを話してみてください。

「へー」とか「ふーん」なんて言いながら、子どもたちの中には、自分も逆さになって景色を見てみたり、おもちゃを逆さに向けて、おなかの赤ちゃんに見せてあげたりする子もいます。

そんな光景も、とても愛おしいなあと思います。