おおきなきがほしい

『おおきなきがほしい』

文 佐藤さとる
絵 村上勉
出版社 偕成社
発行月 1971年1月
価格 ¥1,000+税


「おおきな おおきな 木が あると いいな。ねえ おかあさん。」(本文より)

かおるの考えているおおきな木は、
うーんと太くて、はしごがないと登れないような木です。

枝が三つに分かれているところには
えんとつ付きの小屋があって、
そこからさらに上へと繋がるはしごを登ると、
りすの家があって、それから・・・。

夏になったら、秋になったら、
冬になったら、そうしてまた春になったら  

かおるは、“おおきな木”のことを、いろいろ、いろいろ考えました。

* * * * * * *

見返しには、家の見取り図のように、かおるが思い描く木の全体図が描かれています。こんな木があったら、どんなにすてきでしょう。かおるのはなしを聞いているだけで、うっとりしてしまいます。小屋では、ホットケーキを焼くそうですよ。

おはなしに合わせて、村上勉さんの絵は、縦になったり、横になったりします。とても大きな木ですから、無理もありません。
細かなところまできちんと描きこまれた絵は、見応えがあって、わくわくします。

キッチンのコンロには、ちゃんとプロパンガスのボンベが繋がれていたり、はしごは立てかけるだけじゃなくて、しっかりヒモで結ばれていたりと、ちゃんとリアルなところも、すごくいいなあと思います。

かおるのゆたかな想像に、夢がふくらむ、すてきな絵本です。