ぼくはワニのクロッカス

『ぼくはワニのクロッカス』

作 ロジャー・デュボアザン
訳 今江祥智、島式子
出版社 童話館出版
発行年月日 1995年10月25日
価格 ¥1,400+税


クロッカスは、花の好きなワニ。

彼は、古いかしの木の下の、
穴の中で暮らしていました。

クロッカスが外に出るのは、夜の間だけ。

本当は、日の光が恋しいし、
なにより大好きな花を見たかったけど、
クロッカスの歯をみんなが怖がるので、
いつも木の下で小さくなっているのでした。

そんな話を聞いたあひるのバーサは、
クロッカスを“あたらしいすみか”へと案内しました  

* * * * * * *

“みんなと なかよく やっていける ワニだって、
ちゃんと いるんだけどなあ”

そう嘆くクロッカスは、とても繊細で、心のやさしいワニでした。

だからこそ、新しいすみかのご夫妻にも、なんとか自分の気持ちを伝えようと、夜中にこっそり野の花を摘んでは、毎朝そっと、その花束をテーブルに置いたりして・・・。

デュボアザンの絵本を読んでいると、たびたびこんな風に、人間だとか、動物だとか、そんなこと関係なしに、すてきな登場人物(もちろん人でない場合もあるのだけど・・・)に、出会うことができます。

そんな彼ら、彼女らに出会うと、とてもほがらかで、うれしい気持ちになります。

※ところどころ漢字もありますが、漢字にはルビがふってあります。