せかいいちおおきなうち

『せかいいちおおきなうち
りこうになったかたつむりのはなし』

作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1969年
価格 ¥1,456+税


ある日、ちびかたつむりがお父さんに言いました。
「ぼく おとなになったら、せかいいち おおきな うちが ほしいな。」

けれど、お父さんは言いました。
「うどの たくぼく。」と。

そしてお父さんは、あるちびかたつむりが、“せかいいちおおきなうち”を手に入れたはなしを始めました。

* * * * * * *

お父さんのおはなしを聞いて、涙でいっぱいになった、ちびかたつむり。そして、「ちいさく しとこう。」と言いました。「おとなに なったら、すきな ところへ いけるように。」と  

“大は小を兼ねる”と言いますが、いろいろなものを抱えすぎると、身動きが取れなくなることがあるように、大きすぎると、かえって困ることもあるんですよね。

なにごとも、自分にとっての“ちょうどいい”を選ぶことが、大切なのだろうな、と思います。

それにしても、レオ・レオ二さんの絵は、本当にすてきです。デッサンのようなタッチの、きれいなかたつむり。異国の香りがするような、植物や小石たち・・・。何度見ても、うっとりしてしまいます。