ここにいたい!あっちへいきたい!
『ここにいたい!あっちへいきたい!
にひきの のみの はなし』
作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1977年
価格 ¥1,456+税
犬の体にいた2匹の“のみ”は、
それぞれ性格が違っていました。
1匹は、もっといろんなところを知りたいと言って、
犬の体からめんどりの体へと飛び移りました。
もう1匹ののみは、ここにいたいと嫌がりましたが、
仕方なく、そのあとを追って跳ねて行きました。
ところが、追っても追っても、
1匹ののみは、次々と場所を変えて進んでいきます。
そしてとうとう、
鳥の体へとたどりついたのみでしたが・・・。
* * * * * * *
今いる場所に満足して、ここにいたいと言うのみと、知らない世界を知りたいと言って、外へ飛び出していくのみ。
どちらがいいという訳でなくて、いろいろなタイプがいて、だからこそおもしろいんですよね。
ただ、結果はそこに留まることになったとしても、重い腰をあげてでも外の世界を見たことは、はじめからそこに留まるよりも、ずっとその心持ちは違っているんじゃないかなと、思います。
反対に、その場に留まったからこそ知れる世界や、経験することもありますよね。
最後は、留まる方を選んだのみがつぶやく場面で終わるのですが、なんだかその言葉が、このおはなしをおおらかに包み込むような感じがして、いいなあと思います。
のみの絵本!?と、敬遠せずに、まずはお手に取っていただけるとうれしいです。