どうぞのいす

『どうぞのいす』

作 香山美子
絵 柿本幸造
出版社 ひさかたチャイルド
発行年月 1981年11月
価格 各¥1,000+税


小さないすを作った、うさぎさん。
いすを野原に置くと、
「どうぞのいす」と書いた立札を横に立てて、
その場を離れました。

最初に、そこへやってきたのは、
かごいっぱいのどんぐりを持った、ろばさん。
「なんて しんせつな いすだろう。」
そう言って、いすの上にかごを置くと、
側の木の下で眠ってしまいました。

するとまあ、どうしたことでしょう。

次にやってきたくまさんは、
いすの上のものを、「どうぞ」なのだと勘違い。
どんぐりをみんな食べてしまって・・・。

* * * * * * *

ありゃりゃ・・・と思うけれど、「からっぽに してしまっては あとの ひとに おきのどく」と言って、くまさんも、そのあとの動物たちも、みんなちゃんと、代わりのものを置いていきます。次は誰がやってくるのかな?何を置くのかな?と、ページをめくる度わくわくします。

1匹の青い鳥が、ずっとそれを見ていて、ときどき寝ているろばさんの側に行ったり、動物たちに紛れてつまみ食いをしたりします。その様子が、とてもかわいい。

絵は、おなじみの柿本幸造さん。現在、生誕100周年を記念して、長野県安曇野市にある絵本美術館&コテージ「森のおうち」さんにて、絵本原画展が開催されています。

昔も今も、ずっと変わらず愛され続けている画家さんです。