母の友 2016年2月号

『母の友 2016年2月号』

出版社 福音館書店
発行年 2016年2月1日
価格 ¥505+税


今月号の特集は、“スポーツは、たのしい”。

スポーツ評論家の玉木正之さんは、スポーツとは「誰もが自由に楽しめるもの」と、述べられています。それなのに、「スポーツは嫌い」や「スポーツが辛い」と思ってしまう人が多いのは、なぜでしょう。スポーツが生まれた歴史や、“体育”という学校教育としての視点を交えながら、その真相に迫ります。

また、教育学者である内田良さんの、「体罰」の実態についてのお話や、
少年サッカーのコーチとして活躍されている池上正さんの、選手と指導者の理想的な関係についてのお話も、収録されています。

内田さんが着目されている、「組体操の危険性」についてや、池上さんの「人間としてどう育つか」という内容のお話は、特に興味深かったです。
当たり前のように行われていることでも、はたしてそれは本当に正しいことなのかと、一度立ち止まって考えてみることが必要なのだと感じました。おかしいことを、おかしいと言える社会でなければいけないですね。

式秀部屋の親方、式守秀五郎さんの力士の方々への思いも、本当に大切なことだと感じました。「日々の稽古や部屋の仲間たちとのつながりを通して、人として大事なことを感じてほしい、学んでほしい」「一人の人間として、力士として愛される人になってもらいたい」  
相撲や、スポーツという世界だけに関わらず、子どもに関わる大人がみな、このような気持ちで向き合えたら、子どもたちが育つ場も、よりよい環境になるのではないかと思いました。

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また、連作「ほいくのゆくえ」では、“「保育士不足」と資格”について、綴られています。
規制緩和を続ける現在の状況には、様々なところから疑問の声を耳にします。ここでも、“保育士の「資格」は、ただその人に権威を与えるものではなく、回り回って、子どもたちに影響を与えるものです”とありました。

子どもたちにとって何が1番大切なのか、それを見失ってはいけないと、わたしも思います。

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その他、愛知県豊橋市で「うば車店」を営む高柳さんのお話、鶴見俊輔さん・別役実さん・梨木香歩さんの対談の記事採録、山田真さんによる「傷の処置」のお話など。今月号も、読み応えたっぷりです。

来月号の特集は、“災害にそなえる”と“季節と絵本”です。
どうぞお楽しみに。